2016年06月07日

筋交い破断と柱の引き抜き多発


3つめの熊本地震の特徴は、『筋交い破断と柱の引き抜き多発』にあります。

定着するかどうかわかりませんが、この特徴を関係者は『波状的地震』と名付けたようですが、熊本地震の特徴に、必殺KOパンチ連続2発とジャブの集中(波状的地震)がありましたが、そのために、筋交いが破断したり、筋交いの付いている柱が引き抜かれる家屋が多発したようです。

筋交いが多く破断した理由は、繰り返し繰り返し、しかも極度に集中して訪れる波状的地震に対して、『筋交いに粘りが無かった』ためと考えられています。

★耐力壁には、『筋交い』と構造用合板やダイライト、MDFなどを使った『面材耐力壁』の2つがあります。その違いは、下図からも明らかですね。

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★筋交いは、柱に止められますが、筋交いの両端の筋交いプレートという金物だけでつけられています。この金物に使うビスの量は一般的に26本です。

★構造用合板などの面材耐力壁では、軸組工法の場合150mm間隔で釘を打っていき、その数は階高2.8mの建物では68本にもなります。

見てもわかるように、「筋交いでは、どうしても筋交いの両端に力が集中してしまう」のに対して、「面材耐力壁では力の分散が出来ます」ね。

この分散と集中の違いが、『波状的地震』という特徴が加わって、『筋交いの破断や柱の引き抜きの多さ』になったのだろうと思います。

★でもそれだけではありません。
筋交いの歴史って、本当に新しく、本格的に使われ出したのは戦後の建物からなのです。
その話は次回に・・。

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2016年06月02日

12ラウンド分のジャブが、1ラウンドに集中


熊本地震の特徴の1つめは、一発KOパンチが2回たてつづけに襲いました
それは前回お伝えしたとおりです。
2つめの特徴は、ボクシングで言う12ラウンド分のジャブが、1つのラウンドに集中して放たれました

ボクシングは12回戦、15回戦など大きなタイトルの試合はラウンド数が多くなります。
そして、ボクシングでジャブはいわばけん制として、1ラウンドに何度も繰り出されます。

これを地震に置き換えるとわかりやすいです。
ラウンド数は月数です。ジャブは余震です。
ジャブは大きなダメージは決して与えませんが、繰り返し打たれるといやなものですし、ダメージの蓄積につながります。
さて・・・。

阪神大震災の時の余震が1000回を超えるのに1年かかったそうです。
ところが熊本地震では100回の余震に達するのに、たったの1ヶ月しかかからなかったそうです。

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う〜ん。
一発KOクラスの本震が2回たてつづけに襲い、余震が1ヶ月に集中して起こると、よほどの建物でも受けるダメージは大きいですね。今までにこんな地震(本震2回、余震集中)は初めてです。
そんな中で、「筋交いはもろい」という傾向がわかりました。

それは次回に・・。

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2016年05月31日

震度の感覚


熊本地震の特徴の一つに「震度7の地震が2回きた」というのがあります。
実は、「震度」というのが感覚的にものすごく曖昧で、震度1から震度7まで階段的に続くので、震度7は、震度5の2ランク上の強さ、と思いがちです。
でも、震度と加速度(ガル)の関係は、下の図のように階段的ではありません。

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また、加速度(ガル)もわかりにくい指標ですが、あえておおざっぱに言えば、加速度=殴られる強さ、パンチ力と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

たとえば、上の図で震度5の加速度(ガル=パンチ力)は、80〜250の範囲です。
震度7の加速度(ガル=パンチ力)は400以上で、阪神大震災の時は891ガルだったそうです。
そうすると、パンチ力で言うと、震度7って、震度5の3.5倍以上(891÷250)のパンチ力なんですね。
震度3と震度7では、なんと36倍(891÷25)の差があります。
震度6と震度7でも倍程度(891÷400)の差があります。

もっともパンチ力が2倍ってどんな感じ・・という疑問も沸きますが、
・震度7は、ボクシングでいう一発KOレベルのパンチ力。
(柔な相手は倒れます)
・震度5って、判定にもつれ込む決定打の無いパンチ力の応酬と言った所でしょうか、
(ダメージは受けますが、そう簡単には倒れません)
・そして震度1や2は、軽〜い、軽〜いジャブ程度のパンチ力なのでしょう。
(数打ちゃ当たると同じで、あまりに回数が多いとダメージがでます)

そりゃあまぁ、一発KOのパンチが立て続けに2回もくれば、大概の建物は壊れるでしょうね。

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2016年05月08日

いつでも、どこでも


下の図は、昨日の産経新聞の地方版に載っていた最近の地震の起こった場所を示した図です。
前回、境界プレート型地震は周期的に発生しており、周期がつかみやすい。
それに対して内陸型の地震は、周期が規則的でないので、いつ発生するかわからないと書きましたが、この図で言うと、まぁ、いつ、どこで地震が起こっても仕方ない。
内陸型地震の予知など不可能。
それに備えよ・・ということですね。

ところで、熊本地震の次は数年後に広島、愛媛方面らしいです・・。
そういう古文書があったそうです。

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次回は、「建築条件付きの同時契約は違法(正しくは不適切契約)」というお話です。
大手ハウスメーカーですら平気でやっている同時契約に国交省中部地方整備局が監督処分を下しました。そんな良いニュースのご紹介です。


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2016年05月02日

熊本地震:2つの特徴


少しずつ熊本地震の全体像がわかってきましたが、この地震は大きく2つの特徴があるようです。

★余震の異常な回数
熊本地震の震度1以上の余震は、たった2週間で1000回を超えたそうです。
最初は、この余震の回数を聞いても、多いのか少ないのかすらわかりませんでしたが、この余震の多さは今までの地震では経験がなく、新潟中越地震でも1000回を超えるのに1年かかったそうです。
・余震で建物が壊れる
そうすると、建物にとっては、繰り返しの地震力が何回も何回も短時間に加わるために、後の余震で倒壊した建物が多いと聞いています。
最初、庁舎や体育館が使えなくなったというニュースを聞いて、「耐震補強が遅れていたのか」と思っていたのですが、そうではないことが初めてわかりました。
・余震があまりに多すぎて、怖くて戻れない
また、人の立場で考えると、家は倒壊をしていなくても、これだけ余震が多いと、家をいること自身が不安になり、結果として車中泊や避難所泊まりになる人たちが増えた要素の一つのようです。

★活断層型地震は予測できない・・1万年に1回の活動しかない
・そもそも予知できない
これは私も初めて知ったことですが、そもそも東日本大震災は境界型プレート地震です。今注意が呼びかけられている東海、東南海地震も境界プレート型です。
この境界プレート型地震は、100〜数百年の間に周期的に大きな地震を起こすために、比較的予知がしやすい。まぁ、予知と言うよりは、「前の地震から間が開いているから注意しろ」という程度の予知ですが、それでも「必ずある」と言うことは言えます。
しかし、活断層型地震は、5000年や1万円も活動しないことが多い(らしい・・)。
つまり、境界プレート型地震に比べれば、そそもそ予知など鼻から不可能と言うことになります。
だから、九州の人が「ここは地震が少ないです」と思っていたことはあながち間違った考えではない。
結局、日本に無数にある活断層は、自分たちが住んでいる時代に地震を起こすかもしれないし、起こさないかもしれない。起こしても地震の規模など全く予測できない。

・活断層が2つの県をまたがり長い距離で活動した
今回の地震は、熊本県と大分県の活断層が動きました。この長さは新潟地震や阪神大震災とは全く異なる活断層の連続した活動でしたね。

同じタイプの地震、災害が本当に無い。
いろいろ考えさせられる熊本地震です。

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2016年04月25日

当てにならないもの:専門家の話


当てにならないもの。
まぁ。世の中いろいろあるんでしょうが、専門家・評論家の話も当てになりません。

今回の熊本地震は、『東南海地震の前兆である』。『いや、関係ない。
どちらも専門家が言っています。

もう一つ、世の中で全く当てにならないもの。
それは『経済評論家』の話ですねぇ。
景気がどうなる、株がどうなる。ファンドメンタルだ、どうだ、ともっともらしく言っているものの、さっぱり当てになりません。

世の中どうなろうが・・。
専門家、評論家の話など関係なく、やはり「備え」なくして明日はない・・・!

そんな事を思っていたら、昔、昔の映画にシルベスター・スターローンが端役で出ていました。
スクリーンにでていたのは、せいぜい1分前後。
でも、その1年後に「ロッキー」のヒットを掴みます。
シナリオを自分で売り込み、小さな映画館からスタートしたとか・・。

チャンスを掴むための地道な努力。
万が一のための「備え」も、チャンスを掴むための努力も、何となく同じだなぁ〜、と思いながらこの映画を見ていました。

何事も、コツコツ、コツコツ、コツコツ、コツコツ・・・・。
今回の熊本地震が、東南海地震の前兆であろうが、関係なかろうが、「備えあれば憂い無し」


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写真左:1975年「さらば愛しき女よ」
写真右:1976年「ロッキー・1」
さすがに、「さらば愛しき女よ」にでていたシルベスター・スターローンは、娼婦館のボディガード役でどう見てもにやけたイタリアン移民丸出しの顔ですが、「ロッキー」以降、一皮むけた役者になり、そしてスターの座を掴みました。

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2016年04月21日

地震の頻度と、地震保険の料率


熊本は地震の「安全地帯」、東北は「危険地帯」――こんな記載が含まれていたWebサイト「企業立地ガイドKUMAMOTO」を、熊本県が4月20日に削除した。熊本地震を受け、「内容を1から見直す必要がある」(県企業立地課)と判断したため。』というニュースが流れました。(itmediaニュース

★でもねぇ。これ熊本県はちっとも悪くありません。
地震保険の保険料率を算定している「損害保険料率算定機構」というところでは、熊本県は地震保険の料率が下の表のように基準よりも65%にも低くなるのです。(損害保険料率算定機構
料率の資料

つまり、熊本県の保険料率は0.65(イ構造)で一番低いですね。
要は安い=地震が少ないと考えられているにほかなりません。
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★国が地震の発生しやすいエリアを3等級に分けているんです。
どうして保険料率が違うかというと、耐震計算でも、熊本県は東京など大地震が予想される地域の地震力よりも1割低く計算しても良いと言う法律になっているんです。
これはどういうことかというと、耐震等級3は、建築基準法で想定した地震の1.5倍の地震力に耐えられる。
ところが、1.5倍にしたものを0.9倍すると、1.35倍。
地震はきっと少ないから、少し緩い方にサービスしちゃうよ・・と言うことですね。


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上の図の白いエリアは、地震など来ないから大丈夫だよ・・とされていた地域なのです。
ところが、そんな熊本にM7.3、震度7の大地震が来た。それも断層が連鎖的に移動ながら地震を起こしている今までとは全く違うタイプの地震ですね。

地震に限らず、「災害は忘れた頃にやってくる」
備え怠るにしかず・・でしょうか。


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