2010年01月19日

自分の身は自分で守れ−2

 昨日、サポートサービスを受けようとされている方からご連絡をいただきました。

「昨日、図面送りました。もうすく届くと思いますが、その図面は見て頂かなくて良いです。」
「??????」
「実は、建築条件付きで契約した住宅会社から連絡があり、建物を建てる資金の融資が銀行からしてもらえなくなり、弊社では建物を建てることが出来ません」
「ついては、土地だけを決済しますので、建物は違う業者を探して建ててください」


・・と言うことのようなのです。

つまり、いざ建物を建てていこうとした矢先に、銀行からの融資がストップしたと言うことですね。

倒産、という差し迫った事態ではないのですが、売上等が低迷していたり、今までの融資金の返済が遅延したりすると銀行はお金を引き上げようとします。新規融資どころではありません。
この会社の事情は分かりませんが、リーマンショック以降、大手ハウスメーカーですら、軒並み15%前後の売上低下をしています。

金融危機以降すでに1年以上経ち、大きな業績の低下に「倒産一歩手前」という会社も出てくるのも今年です。

建築条件付きなどいわゆる建売系の場合は、土地代金と建物の工事費を会わせた1割程度の手付け金を支払った後は、ほとんどの会社が完成時支払なので、大きなリスクはありません。
この方もそうでしょう。
今まで支払った手付け金は、例え建物の着手金であっても土地代金に充当すれば済みますから、実質的な被害はないと思います。
しかし注文住宅では、着工時1/3、上棟時1/3、完成時1/3といった形で過払い気味の支払が慣例的に行われています。

過払いの状態で住宅会社が倒産すると大変です。


自分の身は、自分で守れ。今年は特にそういう年でしょう。特に中小クラスの会社の倒産が増加傾向にあるそうです。


この話以外に、基礎工事まで終わったものの、上棟もせず、工事を放ったままどうなっているのだろう・・と思っていた現場が、「実は工事が続行出来ません。ついては・・」という話も聞いていますので、しつこい話題ですが、こういった話はしつこいほど良いので、今日もしてみました。


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2009年02月20日

望ましい支払条件とは。

 昨日、破産管財人から、今後の方針というものがホームページ上に提示され、その中で、2.3の具体的な事例が載っていました。一つを例に挙げると次のように書かれています。

≪具体例1≫
富士ハウスとの契約金額 3000万円
既払額 2100万円
別会社との契約金額 1700万円
この場合、富士ハウスとの契約金額3000万円から別会社との契約金額1700万円を差し引いた1300万円を出来高と考えます。そして既払額2100万円と出来高1300万円の差額である800万円が過払分として財団債権となります。この場合、財団債権部分に300万円を超えている部分があることから、以下の計算式により130万円を目途に管財人が返還いたします。
300万円×10%+(800万円−300万円)×20%=130万円


 この管財人はチョット横着して、出来高査定をスポンサー企業に任せ、新たに必要な工事金額から以前の契約金額を引いたものが出来高だ・・と大胆に計算していますが、その方法の善し悪しは別として、上のケースは読めば分かりますね。
 どんなに逆立ちしても、3000万円だった予定の工事が、完成までに当初の過払い分と合わせて3800万円必要となり、1年以上先に130万円が返ってくるかどうか??という話です。

 過払いで倒産されたときに如何に損失が大きくなるのかが、具体的に分かりますね。そして、住宅ローンをギリギリで組んでいたなら、当面追加支出しなければならない800万円を工面出来るのでしょうか??このケースでは、そんな疑問すら感得してしまいます

■過払いとならないこと
 倒産リスクを回避する。それは過払いをしないという1点しか対策はありません。
そのためには、たとえば
1.契約時に100万円
2.基礎工事完了時に基礎工事代分(たとえば150万円)
3.上棟して屋根が出来たときにその工事代(たとえば500万円)といった支払を交渉するのも良いことでしょう。
 要は最初の100万円は、契約上の信義則として仕方ないとしても、後は出来上がった工事部分の代金だけを支払っていく、といった方法です。(つなぎ融資を利用しない場合は、以降は完成時支払となります)

 参考に、「不確実な時代の倒産リスク管理」のページもご覧ください。

 そして、

■営業マンは味方ではない!!
 こういった話をするときに障壁となるのが営業マンです。以前も言いましたが、彼らは、こと契約や金銭に関してはあなたの味方ではありません。
 それは、あなたが相手の立場に立てばよく分かることです。

 こんな会話を想像してみましょう。

営業
『社長。お客さんから、○○な支払条件を提示されました。やはり、この方がお客さんにとっては安全だし、不安も解消されるので、お客さんの提示された支払条件でどうでしょうか』

社長
『あほかお前は!! 会社には会社の資金繰りがあるんじゃ。さっさと会社の方針で仕事を決めてこんかい!!』


『誰から給料もらってるんじゃい!!』とまでは言われなくても、会社の方針に背をむけられないのはサラリーマンなら均しく同じですね。

注:最初から無理な支払条件を求めず、良心的な契約をされている住宅会社もたくさんあります。上のようなケースは、強引に自社の支払条件を求めてくる強欲な、あるいは倒産危険度の高い会社と考えた方がよいでしょう。


■自分の身は自分で守る
 つまり、いざ支払条件を交渉するときは、自分にためにあなた一人で立ち向かう勇気が必要ですし、住宅会社など探せば掃いて捨てるほどいるんだ。といった気持ちを持つことも大事なことです。つまり、どっしり構えろ!!!

 私と一緒にある工事トラブルを処理中の方から、こんなメッセージをいただきました。
「私の場合はなかなか希望するメーカーでローンが通らず、最終的に2社ぐらいに絞り込まなければいけなかったため、どうしてもあせってしまいました。
家作りにあせりは禁物ですね!「時期が来るまで待つ」ぐらいの
スタイルでもよかったです。」

 あなたの身を守るのは、他ならぬあなたしかいない。
 肝に銘じておきましょう。 
 そして相手の言う、自社の方針です、慣例、慣習です、よそ様も同じようにされています、といつた言葉の全ては、相手に都合のよい方便でしかありません。自社の方針、慣例、慣習、よそ様のどれもが、いざとなったとき、あなたを助けてくれるわけではないのですから。


注:上の話は、工事請負契約をするときの話です。建築条件付きなど、契約金が全体の1割程度で、残金は建物完成時・・といった場合は、このような心配をする必要は全くありません。

来週は違う話題でスタートします。


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2009年02月19日

スポンサー企業??

 さて、一昨日の続きですが、スポンサーと聞くとまるで救世主のように聞こえがちですが、必ずしもそうではありません。

 富士ハウスの破産管財人のスポンサー企業は、この17日から19日にかけて愛知県・埼玉県・静岡県の3カ所で、工事続行のための建築主向けの説明会を開いているようです。

 その前におさらいです。この管財人は次のように言っています。
1.2月末までに完成予定の建物は、完成させますから、残金を支払ってね!
2.着工中の建物の工事は続行出来ません。スポンサー会社にて建築工事を続行してもらう予定です。(追加の資金負担が生ずる可能性があります)
3.未着工の建物も工事は出来ません。
 そして、現契約は解除し、前払金や、過払分は財団債権として返還の対象とさせていただきます。でも、現時点では過払分が300万円以下は10%程度、過払分が300万円を超える部分は、その部分につき20%程度しか返還できない見込みです。(以降、若干表現が変化していますが。)


 わかりにくい話ですね。
 実は、説明の中の「スポンサー会社にて建築工事を続行してもらう予定です」という言葉が話をややこしくしているのですが、

 要は、
1.の2月末で完成予定の建物は簡単です。工事を完成させるので、残金を支払ってくださいね・・の通りです。

2.の着工中の建物の人は、原契約を解除します。
 今現在の出来高を査定しますから、もし、工事の完成高(出来高)よりも、支払いが少なかったら、差額を支払ってね。そして、工事を続行する場合は、紹介するスポンサー企業と新規契約をしてください。追い金があっても勘弁してね。するしないは自由ですよ。
 そして、300万円支払って、基礎工事が終わっている人は、基礎工事の出来高を150万円と査定すると、残りの150万円は財団再建として扱い、弁済は15万円程度です。しかし、その上で工事を続行したいなら、スポンサー会社と新規で契約してね。富士ハウスの契約より高くなっても勘弁ね!!。するしないは自由ですよ。 

3.の未着工の人は、たとえば、100万円払って未着工の人は、契約解除し、財団債権としますが、10万円程度しか弁済されません。
 
 わかります〜???

 2月末完成以外の着工中の建物も、未着工の建物もすべて契約解除するので、すでに支払ってしまった代金は、1〜2割程度しか帰ってきません。その上で、工事を続行するなら、新規契約だ・・ということなのです。

 スポンサーという言葉の響きから、前払い金や過払い分も含めて契約をしてくれると思うと大きな間違いなんですよ。

要は、それはそれ。これはこれ。
前払い金や過払い金は、弁済率10〜20%程度で、1年以上先に帰ってくる。工事は全く別にどこかと契約しなければ建物は完成しない。その候補の一つがスポンサー企業である、というに過ぎないのです。
 しかし、一人一人が個別に次に工事をしてくれる業者を捜すよりは、少なくとも安くできるであろうし、そのために、破産管財人も一生懸命になっているのだと思いますが、逆に言うと、このような大規模倒産だから出来たことであって、もっとも小さな倒産では、建築主が個別に次の工務店を探さざるを得ないのが現実です。
 
 なお、この方法は既存の下請け会社が中心となりますから、突然仕事が無くなった下請け企業にとっても一時的な助けになるというメリットもあります。

 ただ、とにかく、過払いのお金、前払い金は、弁済率として1〜2割程度しか帰ってこない・・・のです。
  
 ちなみに、契約だけして未着工の建物は、前払い金100万円が一番多く、その次が300万円まで、両方でおおむね8割程度とかいう話もあります。(伝聞の域を出ませんが、管財人の区切り方がそうなので、あながち噂とも言えませんが・・)




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2009年02月17日

破産管財人は、どちらの味方??

  会社がにっちもさっちも行かなくなると、裁判所に破産を申請します。これは、『私の会社は前に進むことも自分で整理することも出来なくなりました。ですから裁判所の方で会社の整理をして、債権者や債務者に平等に配分してください。』というお願いを破産申請と言います。そのため、この申請が出されると、裁判所は所轄の弁護士会から弁護士を選び、その人に会社の整理事務を任せます。

■破産管財人は公正な掃除屋さん
 つまり、破産管財人は、その会社の後始末を『公正に』する人なのです。
 具体的には、その会社がその時点で持っている売上金でまだ回収されていないもの(これを債権と言います)は、100%回収し、仕事を依頼したのに支払っていない代金や銀行からの借入金などの支払っていないもの(これを債務といいます)は、回収された債権や資産売却などで生じる現金を公平に配分していきます。

 しかし、当然に会社の経営が行き詰まっての倒産なので、入ってくるお金(債権や資産売却でえたお金)よりも、支払うべきお金(債務)の方が圧倒的に多いので、昨日説明したような、「100万円までは10%、300万円以上でも20%程度しかもどらない」という結果になるのです。


■なぜ破産管財人に弁護士がなるのか?
 それは、民間の会社がそんなことをすれば、債権は強引な法律に基づかない"取り立て"を行ったり、分配も不公平な分売が行われることを防ぐためですね。
 つまり、破産管財人は、どちらの側にも、誰の味方でもなく、ただひたすら公平に会社の整理をすることが仕事なのです。そして、そのお目付役として裁判所が上位監督機関として存在していますから、弁護士が勝手に、「建築主が可哀想だから、建築主にだけ多く配分しよう・・」なんて事は出来ない仕組みになっています。


■支払にも優先順位あり
 また、債務、つまり、支払わなければならない順番も決まっていて、全てが公平な訳ではありません。最初に優先されるのは税金などの公的債務で、これは無条件で第一位ですし、売上金などが回収されれば、全額支払う義務を有しています。その次が労働債権や、建築主の支払った前払い金が支払われ、最後に残ったものが一般債権といわれているもので、下請け業者に支払うべき代金や銀行の融資焦げ付きなどに支払われます。要は、税金→公課・労働債権・建築主の過払い金(以上3つは同列)→下請け企業や銀行などの債権・・と言うことになります。
注:破産管財人の費用も無料でしてくれるわけではなく、破産処理に必要な費用は第一位順位の支払の中に含まれています。
(これらの優先順位は法律で定められています)
注:この段落は2/18、ご指摘により、間違いを訂正しています。(アンダーラインの箇所です。)


■要約すると。。。
 破産は裁判所に申請され、弁護士が破産管財人になる。弁護士なんだか被害者たる建築主に寛大な処理がされる・・・と思っていたら大間違い。
 上のように法律に基づいた優先順位で、分配されます。。 だれの味方もしない(特定のえこひいきや便宜をしない。)。それが破産管財人なのです。つまり、誰に対しても公平であらねばならないのが破産管財人であり、そのために弁護士が行っているのです。
注:この段落は2/18、ご指摘により、間違いを訂正しています。(アンダーラインの箇所です。)

     09-0217.jpg

注:今回の富士ハウスの破産管財人の動きを見ていると、ホームページで方針が公開されたり、説明会が開かれているのは、建築主への便宜と言うよりも、多すぎる−個人−被害者のために、その様な事務手続き上の方法を用いていると解釈した方が良いですね。
 一般的に、銀行などの債権者も、下請け企業も被害者ですが、倒産して破産申請をしたらどうなる、と言うことは企業経営者なので十分に知っているので騒ぎになりませんが、個人被害者(建築主)は、倒産も破産処理も経験が無く、戸惑い、それが破産処理上の大きな事務負担となるために、その軽減のためにホームページでの説明や説明会などをしているに過ぎません。(突き詰めれば、建築主のためではなく、破産処理を円滑に進めるためにとっている方策と言った方が正しいです)


補足:検索で「富士ハウス」をすればすぐに破産管財人の方針や説明を知ることが出来ますが、やや難解な文章です。でも、予断を入れず、何回も読み直していると何となく、理解出来てくると思います。

■夜逃げについて
 ちなみに、「夜逃げ」をされると破産管財人はいませんから、各自が勝手に回収に走ることになります。その結果、工事中の建物に入って資材を持ち帰ったり、建築主の所に詰め寄って、夜逃げした工務店の代わりに代金を支払え、といった非合法な騒ぎが起きやすくなります。

 次回は、スポンサー企業に幻想を抱くな・・というお話しです。



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2009年02月16日

倒産と支払ったお金

 あと少しだけ、「富士ハウスに学ぶ」を続けます。
 なぜこんな事をしているかというと、普通、倒産経験のある人ならいざ知らず、そういう経験を持つ人なんて滅多にいないと思います。

 そして、普通の倒産劇では、倒産した後の実情や推移が当事者しか分かりません。しかし、今回は建築主の方の被害者の数が非常に多かったため、破産管財人の方は、とてもじゃないが個々に説明しきれないと考えたのかどうか、特に被害を受けた建築主向けの説明をインターネットで公開しています。
(富士ハウスで検索すれば、すぐに出ます。従来の富士ハウスのサイトをそのまま利用しています)

 つまり、このブログで説明していることも、今現実に起こっている倒産事例をそのままお伝えし、その解説を少しわかりやすくしているに過ぎません。

09-0216.jpg■お金は戻ってくるのか
 誰でも思う最初の疑問ですが、富士ハウスの破産管財人たる弁護士は明確に今後の予測説明をしています。
 『当職の予想として、100万円までは10%、300万円を超える人は20%程度のお金は返せるのではないだろうか。』と書いています。しかし、この話は予定であって、実際には裁判所の決済が必要です。
 また、すでに1000万円を支払っていて、300万円程度の工事が完成している場合は、返ってくるのは残りの700万円に対する2割程度でしかありません。
 そして、そんなお金が返ってくるとしても1年以上先のことです。

■契約解除したらどうなるのか
 これも破産管財人は明確に書いています。
 『解約する場合は、出来ている工事と前払いの金額の精算を行い、出来ている工事が前払い金よりも多い場合は、差額を支払え。そして、出来ている工事が前払い金よりも少ない場合は、残りの前払い金を放棄しろ』

 厳しい内容ですね。つまり、契約解除するなら、工事の方が先行しているなら、精算して支払ってね。そして、工事が少なく前払いが多いなら、過払い分はお返ししませんよ。

■過払い分は、原則返ってこない
 上の話をまとめると、過払いの状態で住宅会社が倒産すれば、過払い部分のお金は、返ってこない。返ってくるとしても、よくて2割程度が1年以上先に返ってくるに過ぎない。と言うことなのです。(どんな倒産でも、概ね1〜2割の返還金がある場合が多いです。)

■やばそうな会社のリスク管理
 つまり、倒産しそうな会社のリスク管理は、過払いをしないこと・・・以外にはありません。そして、いざ、倒産すればお金は返ってこない、ぐらいに考えておきましょう。
注:この話は破産などの倒産です。、倒産の類似処理として、会社再生法や会社更生法がありますが、これは借金の整理をした後に、会社の継続を計る倒産処理の一つですから、今回の説明とは大きく対処法が変わります。
 しかし、住宅会社が、いざ倒産となったときに、富士ハウスのような破産を申請するか、会社継続の道を探る会社再生法や会社更生法を採用するかなど、誰も予想出来ないことです。
 つまり、最悪に備えるなら、破産での倒産を想定しておくべきなのです。(もっと最悪は夜逃げですが・・)

 
明日は、誤解を招きやすい破産管財人とスポンサーと言う言葉の説明です。



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2009年02月13日

相手に任せておけ・・ってどうなの!

 昨日は−「営業マンへの信頼と契約は別物」−という話を最後にしましたが、この話を少しだけ掘り下げてみましょう。

 それは、自分を当時の富士ハウスの社員に置き換えればすぐに気付くことがあります。

 もし、あなたがこの会社の社員であったとき、うすうすながら、自分の会社は大丈夫だろうか・・という不安は部外者よりもいち早く察知するものです。しかし、このときでもほとんどの人間は、リストラ策である退職金が割増でもらえる早期退職でもしない限り、なかなか自分で見切りを付けて転職する人は極めて少数派でしょう。
 多くの人は根拠のない希望的観測を持って、それを頼りに、きっと良くなるさ、倒産なんて現実視したくないよ・・と言う気持ちで会社に残ります。

09-0213.jpg そして、多くの人間は、昨日の言ったように、自分たちががんばって営業し、少しでも仕事を多く取ってくれば会社が良くなる。会社が良くなることは、当然に自分たちの抱いている不安も解消される。つまり、将来に渡って安心して今の会社に働くことが出来る・・と考えるのが普通なのではないでしょうか。


 なぜなら、よほどの歩合給制でもない限り、あと3ヶ月以内につぶれると分かった会社のために一生懸命がんばるよりは、つぶれるまで給料をもらいつつ、その間に営業などせず転職探しをした方が良いですし、契約を取るなら、契約の引き延ばしをして、次ぎの転職先の住宅会社に新規の契約です〜といっておみやげとして持っていった方がはるかに自分にとってはメリットが大きいですね。
 つまり、つぶれる会社に成績を残すよりは、転職する会社に成績を持っていくと考えるのが自然ですね。

 でもこの会社の営業マンは、普通では考えられないような新規契約を受注した。なぜでしょうか。
 それは冒頭の、大丈夫かな、という不安を抱きつつ、でもがんばれば会社が立ち直り、その結果自分たちも安泰する、と考えて行動をしたのでしょう。そうでなければ、年間受注の2/3の受注残があるなんて、普通では出来ないことです。

 でも−、

結局、この会社の多くの営業マンは、一生懸命働いたけれども、結果として顧客を欺き、そして、自分の会社に捨てられた・・・とも言えるのです。
 これが現実の世界ではないでしょうか。
★補足:どんな会社でも営業部隊には、一定の歩合制が導入されている場合が多いです。営業マンが、単に上記のように不安感や、上層部のハッパだけでなく、上層部の提示するより割の良い歩合制などに動かされて契約に走った・・という事が無いとは否定出来ませんが、それだけをもって新規受注の異常さの説明は付かないでしょう。



 よく、ご夫婦の意見が食い違い、片方は一生懸命リスク回避を考えているのに、片方が『相手を信用しろ、相手に任せておけ・・・』と言う言葉を聞くことがあります。

 確かに人を信じることは人間としての美徳かも知れません。しかし、現実世界の狭間は、美徳だけでは守ってくれないのです。

 そして、ある意味でこれほど自分自身に対して無責任な言葉は無いのです。


 次回は、支払った契約金は返ってくるのか・・と言う話を続けます。



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2009年02月12日

富士ハウスに学ぶ−1.営業マンの信じ方

 今日は少し良い話から一つ。
 以前、「FPの家」の材料提供や住宅を造っていた「松本建工」が民事再生法の申請をしたことを案内しましたが、サイディングのトップーメーカーである「ニチハ」が「松本建工」の住宅事業とFP事業を引き継ぐことになったようです。(ニチハがつくる新しい子会社に譲渡する方法です)そして、従業員は、『原則』継続雇用となったようです。つまり、FPの家は今後も造られることになった・・と言うことですね。

 さて、今日の話題は、タイトル通り『富士ハウスに学ぶ』の1回目です。
 今の状態は、1月30日に破産申請をして以来、刻々と破産管財人(裁判所から指名された弁護士)が破産処理を行っていますが、その経緯がホームページに紹介されています。(富士ハウスのトップページです)


■被害者数
 公開されている破産管財人の説明では、
・平成21年2月28日までに富士ハウスが建物を完成できる物件・・250件
・平成21年3月1日以降に完成引渡をすることになっていた現在着工中の物件・・・478件
・未だ工事に着工していない物件・・・804件
合計なんと1532件です。(破産管財人の説明なので正確ですよ)

 さすがにこの状態なので国交省も相談窓口を設けています。。といっても、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターに丸投げですけどね。。。


■年間1114棟(富士ハウス)
09-0212.gif 日経ホームビルダーという住宅会社に情報を提供する業界紙によると、富士ハウスの年間完工棟数は、1114棟であったと書かれています。もっともこの記事は2008年のものですが、2008の年の棟数か、2007年を指しているのか分かりませんが、いずれにしても
年間施工棟数が1200棟前後の会社で、未着工すなわち受注残が年間棟数の2/3もあるのは異常です。

★教訓−1
 契約を急ぐのは倒産予兆の一例

 しかし、その棟数と比較しても、未着工物件が804件あるというのは、倒産する直前に、如何に営業マンにゲキが飛び、契約を急がせたのかがよく分かります。とにかく契約金が欲しかった・・ひと言です。倒産するしないは別にして、資金繰りに窮している会社の典型的な状態です。


■もっとも、ゆっくり契約をなんて言う会社はいないが。。。

 もちろん、健全な住宅会社でも、競合がいれば、『お客様、契約はいつでも良いですよ』なんて言ってくれる会社は絶対にありません。他社よりも早く契約をしようと必死で建築主にアタックするのは健全な会社、危険な会社の区別はありません。

 しかし、少なくとも、契約金の支払いを急がせたり、先行支払が多い支払条件を言ってくる会社は、極めてリスクの高い会社ですよ。

★教訓−2
 営業マンへの信頼と契約は別物

 とにかく契約を急がせる。先行支払の多い契約話は、要注意。
よくある『契約してからでも、ゆっくり決められます』は、相手にとって都合が良いだけの話。
相手は会社のため、あなたは自分のため。
こと契約に関しては、決して利害など一致しないのです。
会社に惚れる、営業マンを信頼する・・それは契約以外の事と割り切りましょう。


なぜか、

 上の804件の未着工の建築主に営業をした営業マンも、うすうすは会社が危ないとは思っていても、半信半疑、出来れば、自分が仕事を一生懸命取ってきて、会社が持ち直せば・・・と思うのが普通の日本人です。すくなくとも、会社がつぶれるから・・なんて思って営業活動をした営業マンはほとんどいないでしょう。
だからこそ、営業マンを信頼する・・それは契約以外の事と割り切る必要があるのです。


 この話、しばらく続きます。

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2008年12月19日

自分を守るために、遠慮するな!

 昨日は「契約の原点に立ち返ろうよ」という趣旨でしたが、最近のリストラ劇は、企業側の問答無用の論理が非常に目につきますね。

 昔、企業が肩たたきをするときは、曲がりなりにも、形だけでも次の就職先の斡旋をしていたものですが、今や「すぐ出て行け」と肩を叩くだけになってしまいました。

 少し前の「住まいの水先案内人」のコラム「業界のチョット怖〜い将来」では、8年間で、売上が倍増したのに正社員を増やさないトヨタを次のように書きました。

 『トヨタさん。あなたは自社の売上拡大でうまく非正規雇用従業員を使って成功したのかも知れませんが、結果として、自動車が買える所得層を作り出せず、かえって自動車の購買にブレーキをかけたのではないでしょうか。ねぇ。。。。
 だって自動車を買ってくれる所得層の社員はあなたの会社に増えず、自動車を買うのに清水の舞台から飛び降りる覚悟で買わなければならない非正規雇用の社員をいくら増やしても買ってくれませんよねぇ。。。 』



 同様に昨今の食品不祥事などは、例外なく関係者の「タレコミ」です。企業が自分だけの論理を振りかざす以上、従業員もいつでも「不祥事をちくってやる・・」と、なにかそういう風土が生まれつつあるような気がします。

 なぜそんなことになるのか。
 それは企業 対 個人の構図だ、というだけではなく、あまりに企業の論理が強すぎるからでしょう。

 リストラされても、理不尽だと思っても、不当解雇だと思っても個人が企業を相手に戦うことは大変なことです。


 もし何かあったとき、個人が何かの裁判を起こすために2年の無駄な時間と、100万円の裁判費用が必要だとしたら、とても出来ない相談です。

 でも社員数人の零細企業でさえ、100万円程度の裁判費用など、年間売上に比べれば大きな金額ではありません。

 そう考えれば、いつも不利なのは消費者(個人)なのです。
 住まいで言えば、売買契約をする。建物を新築する・・いずれの契約も企業と個人の契約です。

 『黒字倒産だってある時代ですからねぇ』
 『あなた方だって、私の住宅ローンの審査が通らなければ着工も契約もしないのでしょ・・』


 と考えれば、今の時代、自分を守るために遠慮などするな!!と言うことではないでしょうか。。。

 昨日も書きましたね。企業(住宅会社)と個人の関係で、唯一、いざというときの武器になるのは、過払いをしないことです。




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2008年12月18日

『契約』というものを振り返れ!!

 連日、派遣切り、雇用問題のニュースが報道されていますね。何気なく見ていませんか??

 確かに労働基準法では、正規社員でも1ヶ月の解雇予告手当を支給することですぐに首を切る事は出来ます。でも反対に解雇には社会通念上の正当な理由がなければなりません。

 派遣社員は期間労働者ですから、契約期限が過ぎれば契約を打ち切られてもやむを得ないと思いますが、契約期間内での解雇は、裁判になれば、解雇権の乱用として争われることも十分に考えられます。

 内定通知の取り消しも同様で、正当な理由のない内定取り消しは最高裁判例で違法行為と見なされているようです。そして、経済環境の激減を理由とする解雇なら、既存の社員に対しても対等に解雇をすべきだ・・という論理にもなっていきますね。経済環境の激変のために、既存の社員も首を切るといったあらゆる努力の中で、内定者も首を切らざるを得ない、というのなら分かりますが、そんな努力はしていません。
 そういう後ろめたさがあるのか、最近では慰謝料的な解決金で内定取り消しを行っているようですね。(あくまでも大手)

 さて・・・

 タイトルの話ですが、住宅の購入や新築でも、実は全ての根っこは同じ事なんです。それは、『契約』ってなに・・という話です。

 『契約』ってなんのためにするのですか??

 相手に嫌われないように、文句の多い客だと思われないように黙って差し出された契約書に判子を押すことが大事なことでしょうか。性善説に立ち、相手を盲目的に信用することが大事なのでしょうか。


 でも、相手はあなたという建築主をしっかりと査定しています。あなたを信用などしていませんよ!!

 あなたの住宅ローンの審査が通らない限り、工事の着工など決してしません。あなたは相手に迷惑を掛けてはいけないという気持ちから、住宅ローンが通ってから工事の着工は当然と思っているかも知れません。もちろん、住宅ローンが通らなくて契約していたら、あなたも大変なことになるのは事実です。でも、相手からすれば、あなたの資力など信用していないからこそ、住宅ローンの審査が通ることが、工事着工の絶対要件だし、売買契約の絶対条件なのですね。

 つまり、相手はしっかりと身を守っている。
 絶対に取りっばぐれはしない。

 では、工事中に約束していたものと違うことをしている。工期が遅れた・・といった時々起こるトラブルが起こったときにどう対処しますか。そして、万が一工事中に業者が倒産したら、どう対処しますか??
 相手はしっかりと身を守っているのに、あなたは何かを考えましたか?


 こういう、いざというとき、万が一の我が身を守ってくれるのは、支払条件を含む契約そのものなのです。(特に支払条件の過払いは圧倒的に建築主の不利となり、そのために言いたいことが言えずに泣き寝入りしなければならないというケースは多いです

 なぜあんなに簡単に派遣社員は切られるの。契約はどうなっているの・・といった視点を持つと、不況って悪いことばかりではありません。
 
 不況時には今まで見えなかったほころびが見えてきます。そのほころびを注意深く見ることは、結果として自分を守る事につながるような気がしますよ。

 万が一、いざというときを考えるのが契約の根底ですからね。それも支払条件は建築主の持つ、唯一絶対の武器です。

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2008年12月04日

建売業者が倒産したら・・・

 今週は、あまり良くない話題を書いていますね。

 その理由は、昨今の大きな景気後退があることはもちろんですが、建売系の業者は、注文住宅の業者よりも銀行からの借入金は大きくなっています。注文住宅専門の業者は、建物だけの工事費の問題ですが、建売系の業者は土地を購入して、さらにその上に建物を建てないと商売にはなりません。つまり、土地を仕入れる分だけ、注文住宅専門の業者よりも多くの融資が必要なのです。

08-1204.jpg ところが銀行と言う商売は、雨に日に傘を貸さずに、晴れた日に傘を貸すという商売しかしていません。そのため、今のような世界全体に不況風が吹いているときは、銀行は自らの身をすくめ、貸し渋り、貸し剥がし、という行為に出る場合があります。

 そうなると多額の借金で成り立っている建売系企業は、勢い、そういう銀行の融資姿勢の影響をまともに受けやすく、『突然死』のような急な倒産に陥りやすいと考えられるからです。

 その兆候はすでに出ています。
 ある方が、建物は来年完成なのに、工事も途中なのに、年内に決済出来ないか・・という打診があったそうです。たぶん、年末の支払に困っているか、銀行が融資金を早く返せ等々の話があったのでしょう。

 なぜこんな話題を・・
 それは、『突然死』になりやすい経済環境が調いつつあるからですね。

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2008年12月03日

建売業者が倒産したら・・・夜逃げの場合

 昨日の続きですが、自己破産という法律的な手続きで行う精算ならともかく、一夜のうちに業者が夜逃げしてしまった。小規模な会社では起こりうる事ですが、どうなるのでしょうか??

答えは、『どうしようもない』です。

08-1203.jpg 契約前であっても、工事中であっても、その土地はほとんどの場合、銀行が抵当権を設定していますから、銀行の所有になります。 銀行もいくら抵当権があるといっても、借金の代わりに土地をもらっても仕方ないので、いずれ競売にかけられ、その代金で融資分の回収を図るでしょう。工事中の建物も、競売のために中途半端な建物が残っていても仕方ないので、解体されてしまいます。。

 強いて言えば、2.3区画までという小区画の場合、共同で銀行と掛け合って、土地を所得すると同時に、工事が再開出来るように今までの下請けとも話をすることは可能ですが、全てが全ての足並みが揃うとは限りません。

 つまり、業者が夜逃げしてしまった場合、最初に支払った手付け金は返らず、土地も手に入らない、というぐらいに考えておいた方がよいでしょうね。

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2008年12月02日

建売業者が倒産したら・・・2

 昨日の続きですが、工事中に倒産したらどうなるのか?

01.gifたとえば、工事も終盤にさしかかったときに倒産すればどうなるのでしょうか。

 その前に、破産管財人という人は、倒産した会社の精算をする役目の人です。精算とは、入金すべきお金を入金してもらい、集まったお金で公平に支払うべき人に支払う・・という単純な事なのですが、倒産がみんなイヤなのは、集まるお金が少なくて、支払うべき人が圧倒的に多い・・ということですね。

 そうすると、管財人からすれば、今まで進行していた工事を途中で止めても、何も残りませんし、お金も入ってきません。それなら、工事を続行させて建物を完成させ、注文者にお金を支払ってもらって下請けなどの代金に回した方がはるかによいですね。

 でも、元請けが倒産してしまったのですから、実際の工事をしていた下請け、あるいは現場監督もタダでは仕事などしてくれません。そのため、下請けとも話をする必要がありますね。

 そういう準備が調い、一旦止まった工事を再開させ、あるいは注文者との話し合いを行って始めて工事が再開しますから、倒産してから2.3ヶ月は工事が止まったままかも知れません。

また、現場監督はもういませんから、残りの工事を自らチェックする必要があります。

 そして、仮に工事が完成しても10年保証は一切付きませんから、当初の代金をそのまま支払う必要もないでしょう。

 つまり、工事途中で倒産すれば、基本的に破産管財人に工事を続行してもらい、建物を完成させてもらって代金を支払う。ただし、10年保証もつかないし、後記も結果として大幅遅延ですから、当初の契約金額を満額支払う必要など無いでしょう。

01.gifでは、基礎が関係したときに倒産したら・・・
チョットやっかいですね。今更上棟させて一から工事を再開してあげよう・・なんて考える下請けもいないでしょうし、かといってすでに完成した基礎を使って新たに上ものだけ建ててあげましょう、という別の業者もいないです。
 つまり、出来上がった基礎は役にたたず、基礎の撤去費用も計算した上で、土地だけを取得する、ということの方が良いでしょう。

 これは、上棟直後の場合も似たようなものでしょう。せっかく出来あがりつつある建物も取り壊し、土地だけの取得を考えた方が良いでしょうね。

 つまり、工事に入っていて倒産した場合は、工事が終盤であれば完成させてもらい、その代わり10保証もない、工期も遅延したのですから、しっかり差し引いて代金を支払う。
 工事が始まったばかりであれば、出来ている部分は撤去し、土地だけの取得を考えた方がよいかも知れない。ということですね。


 いずれにしても、
1.総額の1割以下の頭金しか支払っていない。
2.土地も取得する契約である。
3.破産申請をした倒産である。
という3つの条件が揃って始めて、まぁまぁあまりひどくない条件で次の展開を考えることが可能になります。


そして、次のことも覚えておく必要があります。
1.違う業者に未完成の建物を完成してもらっても10年保証はつきません。
2.人がつくった基礎を利用して、上ものだけ建ててあげましょう、という業者はいません。

明日は、業者が夜逃げしたときは・・・です。

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2008年12月01日

建売会社が倒産したら・・

 あまり良い話題ではありませんが、冒頭のタイトルの話を2回にわたって書いていきましょう

 転ばぬ先の杖・・・ですからね。
 暗い話題ですが、2回だけおつきあいを・・・・

 でも、結末はそう悪くはないですよ!!

 先週末、10月の住宅着工統計が発表されました。それによると、『新設住宅着工戸数を06年までの5年間の平均値と比べると、10月は16.0%減。景気低迷で不動産を買い控える動きは続いており、マンション開発など不動産関連企業の倒産も相次ぐ。』・・らしいです。

 確かにマンション開発会社、それも上場企業の倒産が非常に多いです。

08-1201.jpg では、あなたが土地を含む戸建て住宅を契約している建売会社が倒産したらどうなるのでしょうか。着工前、工事途中の2つの場合に分けて状況を考えておきましょう。ただし、その会社が破産申請をしたという前提です。

 もう一度言います。こんな事はなって欲しくないですが、転ばぬ先の杖。あくまでも予備知識として知っておくと、いざというときに慌てずに済みますよ。チョット頭の片隅に入れておきましょう。

01.gif■最近の倒産の特徴
 最近の倒産の特徴は、経営は順調なのに資金を止められた(銀行が新規融資をしてくれない)。そのためにお金がまわらなくて倒産せざるを得ない。いわば黒字倒産といったものも多いようです。  つまり、倒産にも、不況による赤字経営の結果倒産した場合と、黒字なのに倒産した場合の2つに分けられます。
 前者は逆立ちしてもお金を持っていません。
 後者は、破産手続きの中で、ある程度のお金が回収出来る場合があります。
 ただし、基本的に中小企業の場合は、赤字倒産・不況型倒産・あるいは今までの借金が貯まりすぎて首が回らなくなった累積債務型倒産が多いと思います。 そのため、ここでも基本的に後者の赤字倒産、累積債務型倒産と想定していきます。中小企業で、「黒字倒産なんです。」なんて倒産の中でも格好いい表現の倒産は少ないでしょうね。

 もう一つの特徴は、突然死に似た状態が多いです。つまり、今まで銀行がお金を融資してくれていたのに、突然打ち切られた、というケースですね。


01.gif■頭金はどうなるの
 建売系、建築条件付きと言われる土地と建物をセットで買う契約では、全ての代金の1割以下で頭金を支払う場合がほとんどです。残金は完成時となります。たとえば、土地と建物の合計金額が4000万円なら、頭金、手付け金といった契約時に支払うお金は400万円以下の場合がほとんどです。(後の残金は完成時支払)
 これを条件に考えていきます。

01.gif■工事前に倒産した
 経営も順調で銀行の融資を止められて資金が止まった黒字倒産なら、300万円の手付け金を支払ったが、その半分も帰くるかも知れませんが、経営状態が厳しくて倒産したなら、手付け金が戻ってきても、どんなに良くてもせいぜい2.3割まででしょう。それも破産手続きをしながら、つまり、他の回収先から資金を回収しながらですから、帰ってくるまで1.2年程度かかります。
 つまり、解約を前提なら、頭金は半分も戻らないと考えて起きましょう。

 しかし、その土地・建物で契約したのは、ほとんどの人の場合、その土地が気に入っている場合がほとんどですね。

 その場合土地の売買契約は有効ですから、逆に銀行に掛け合い、土地だけの融資をしてもらって土地の残金を支払って土地を取得するのも一つの方法です。(もちろん、契約した当時の銀行で土地融資のみがダメであれば他行を当たらないとダメですが。)

 そして、土地を取得し、じっくりと注文住宅を建てる業者を捜すのも一つの方法です。なぜなら、破産した会社の破産管財人(弁護士)は、売れるものは少しでも売って、そのお金で借金を返済するのが仕事ですからね。

 つまり、契約は終わったけれども着工までに倒産した場合は、土地の契約だけを実行すれば支払ったお金も無駄にならず、比較的良い結末になりやすいです。

 明日は、工事途中で倒産した場合です。

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2008年10月16日

倒産リスクとその回避法

景気減速と金融機関の慎重な融資姿勢が重なれば、住宅会社はどうなるのでしょうか。
資金繰りに余裕のない会社、言い換えれば売上が低迷していく会社は、倒産のリスクが高くなります。

■実感無き経済成長
端的な実例は、この数年は実感無き成長と言われながらも、住宅業界の倒産は軽微でした。しかし、深刻なデフレ経済が続いていた数年前は、当サイトの掲示板でも、現実のサポートサービスの中でも、「工事中に会社が倒産してしまいました」という相談が多かった時期です。逆に実感無き成長と言われたここ数年は、「倒産」という声はほとんど皆無だったのですから、確かに経済は成長していたのです。

■今後の見通し
この経済危機は1年で終息するような規模ではありません。それは、一昨日お話しした実体経済の4倍もの金融市場が生まれていた事からも明らかです。経済評論家やエコノミストは2.3年はかかると言っていますが、それは特に見通しがあってのことではなく、漠然とした印象でしかないでしょう。なぜなら、不良債権の姿すら、誰も正確に掴んでいないし、誰がどれだけの不良債権を持っているのかすら、誰も把握していないのですから、単に日本のバブル崩壊の経験を元にして、根拠無き印象を語っているに過ぎません。

では、どれだけ経済の混乱が続くのか。

それは、今答えの出る話ではないでしょう。

ただ一つ言えることは、景気後退や銀行の貸し渋りが実際に始まる仮定すると、その悪い影響は2.3年以上続き、景気後退と貸し渋りが悪循環を招き、今年よりも来年、来年よりも再来年に悪化していきます。

■倒産の兆候
では、倒産や倒産リスクはどういう兆候があるのでしょうか。

企業はお金を借りられなかったからいって直ちに倒産するわけではありません。何とか生き残ろうと必死で延命策を捜していくのが企業業活動の常で、基本的には、突然死のような倒産ではなく、次のような段階を取りながら最後に倒産していきます。。

■第一段階
第一段階は資金繰りに困窮しだし、たとえば安値受注でもいいから工事を受注しようとする、たとえば契約を早くと契約金ほしさに契約を急がす。といったことが始まります。でも、この時点では、サービスも工事も問題はありません。キチンとしたものが建てられます。もちろん、この段階から倒産の危機を脱する会社も多いです。

■第二段階
 この段階は、より資金繰りが厳しくなり、下請けへの支払の遅延などで下請け業者が離れていったり、社員が退社したりしていきます。この時点では、契約を急がせる。安値受注といったことは第一段階と変わりませんが、設計図がまとまるのが遅くなったり、工事になかなか着工しなかったり、工事が途中で止まったり、工程上の不自然な動きが多くなっていきます。でも工事に入れば、品質は何とか保たれます。この場合仮に業績が回復しても、なかなか全治出来るまでには相当の年月がかかりますし、常に倒産リスクを抱えている会社になっています。
 この段階の兆候を見逃さないこと。打合せの遅延や工事の遅延などが発生すると要注意です。

■第三段階
 第三段階は、資金ショートをきたし倒産です。ここに至るまでに今までの経済環境であれば概ね2.3年の歳月がかかります。工事中に倒産に合うと建築主は大変です。特に実際の工事の出来高よりも過払いをしていると過払いしたお金など、逆立ちしても返ってきません。

注:ここで説明しているのは注文住宅系の住宅会社の話です。建売系の住宅会社は注文住宅系の住宅会社よりも、より大きな資金を動かしているために、資金の流れのストップは一瞬にして倒産、という事態もあり得ます。(最近のマンションデベロッパーの倒産がその例です)

 そういう意味で、一般的には経済が悪化した直後よりもそれからしばらくしてからの方が、倒産は増えていくのです。
 では、そういう事態に、建築主はどうすればいいのでしょうか。。

■基本的な対策
 倒産リスクの対策に黄金律があるわけではありません。
当たり前のことを、当たり前に注意することが大事です。
日銀総裁が演説でいみじくも言っていたように『不確実な時代』なのだからというのを口実に、過払いとなる契約は慎むべきです。
1こちらが制約を課していないのに.リズミカルに進めない会社は要注意
2.契約を急がせる。大幅な値引きをするといった会社も一歩引いて見直してみる
(もっとも、契約は急ぎません、という会社はいないので見桑目は難しいですが・・)
3.2ヶ月も3ヶ月も着工が先になるような契約をしない。
  そういう契約をする場合は、契約時の着手金は数十万円程度の最小限とし、実際に着工する直前に正規の着手金を支払う。
4.全体として過払いとなる契約をしない
5.契約をしないとこれ以上、図面は書きません・・といった契約を取ることだけを狙った営業トークに踊らされない。どうしても契約する場合は、3.同様に契約金を少なくしておく。

といったことでしょう。
もっとわかりやすく言えば、
『お人好しになるな!!』
『見栄を張るな!!』
ということに過ぎません。

特に『見栄と世間体』は、大敵です。
注:この場合の見栄、世間体とは、相手によく思われたい、という心理のことです。

参考ページ
不確実な時代の倒産リスク管理


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、第二段階のような兆候があるのに、経営自体は問題がない。(倒産リスクはない)という会社も時々目にします。
しかし、これらの会社も経営上のリスクは無くても、変な工事をしたり、現場がいい加減であったりといった、要はキチンとしていない。何らかの問題がある会社。というケースが多いですから、倒産リスクとは別に、契約までの、あるいは契約後の動きは会社を判断する大事なバロメーターですよ。



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posted by WM.Hori at 11:56| Comment(2) | TrackBack(0) |  ┣倒産に備えて