2016年07月01日

地震保険を考えるぐらいなら、耐震等級3を取れ!


耐震リスクを回避する一つの仕組みとして地震保険があります。
東京都で、木造、時価1,500万円の住宅を仮定し、地震保険を算出しました。
耐震等級を取るか取らないかで、保険料が異なります。

耐震等級3を取得し、5年間の長期保険に加入すると、保険料は5年間で108,803円。
耐震等級を取らないと、5年間の保険料は倍増します。約217,605円です。

仮に10年間耐震等級無しの建物でかけ続けると、その費用は43万円程度になってしまいます。

16-0701.gif


う〜ん。
いつ、地震があるのか、無いのかなんてわかりませんが、本当に大地震が来るのなら、地震保険に入るよりも耐震等級3の建物を作った方が賢明だろうと私は思います。その理由は・・。

■その理由
・建物が全半壊するのは古い建物で、最近建てた建物が半壊することはあまり考えられない。
・そうすると一部損壊が多くなるが、当然に一部損壊の被害の幅はいいろいろ。
・耐震性が低い建物ほど一部損壊の被害は大きくなる
・しかし、一部損壊の保険金は非常に低い
・だったら、耐震性の高い建物を最初から建てた方がリスクヘッジになる。
・特に軟弱地盤に建つ建物は地震波が増幅されるので、気象庁が発表する震度計の震度より高くなっている場合が多い



このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 11:46| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月28日

建築主が取るべき方策


熊本地震のまとめです。

建築主はどのような方策をとれば良いのでしょうか。
・筋交いはダメ?どんな耐力壁が良いの?
・軸組工法より2X4工法の方が良いの?
・軟弱地盤はダメ?
・間取りはどんな間取りが良い?

そんなことを考えていれば、家は建ちません。

16-0531.gif


★教訓1:軟弱地盤では、耐震等級3の建物を建てましょう。
昔から軟弱地盤では地震波が増幅すると言われていますし、現実に丘の上の家よりも、浜辺、川縁近くの家の方が被害は大きいです。そしとて何よりも、都市部の土地の半分は軟弱地盤です。
軟弱地盤に建つ家は、最初から「耐震等級3」の建物を考えましょう。

軟弱地盤でなければ、耐震等級2でも良いかも・・。
なお、長期優良住宅は、耐震等級2あればOKなので、耐震等級3で建てたい場合は、その旨を言っておきましょう。(長期優良だけど、耐震等級は3で計算してください・・と。)

★教訓2:構造計算で計算する
耐震等級の方法は、簡易な壁量計算の方法と、梁の一本一本まで強度を計算する構造計算の2つの方法があります。2階の壁の下に1階の壁がなく、梁だけで支えているような間取りは多いですし、狭い日本でそこまで間取りを考慮しながら考えることも不可能です。
だったら、梁の一本一本、柱の一本一本まで計算する構造計算で耐震等級を計算してもらいましょう。

★教訓3:中古住宅をリフォームするなら、耐震補強は必須
せっかく中古住宅をきれいにするリフォームをしても、耐震補強をしていなければ、大地震で建物が傾けばリフォームに掛けた費用など吹っ飛んでしまいます。中古住宅をリフォームするなら、耐震補強は必須です。

★制震装置はあくまで補助装置、安心材料
よく免震、制震と言った道具を取り付けることが広がっています。でも、これらの装置も実際の大地震の洗礼を受けていないので、実力は未知数です。おそらく、キチンと額面通り働く装置もあれば、約に立たなかった装置も出てくるでしょう。免震、制震装置は、あくまでも耐震等級2あるいは3をキチンと確保した上での補助的な、安心材料と考えておいた方が無難です。

★耐震がわからない業者も未だに多いです。
ここまで世の中が、耐震に気を使う時代でも、耐震についてほとんど勉強していない。耐震等級を正確に説明できない業者もまだまだ存在しています。
住宅会社、建築士=耐震に詳しいと、決して思わないことです。

次回は「耐震がわからない業者も未だに多い」というごくごく最近の3つの事例をご紹介します。



このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 17:14| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月26日

古いプレハブ住宅も倒壊した(大和ハウス)


地震による倒壊は木造住宅ばかりではありませんでした。
震度7を2回記録した熊本地震では、築20年の大和ハウスの軽量鉄骨造(プレハブ造)の建物も2棟倒壊しています。(大和ハウス発表)

16-0626.jpgその建物は20年以上前の建物で、設計時は耐震等級1相当の建物だったと説明しています。
また、最初の震度7の地震では損傷を受けたものの倒壊など無く建っていたそうですが、2回目の震度7を受けた時点で倒壊したようです。(居住者への被害は無し)

その後、2000年からスタートした性能表示制度のもとでは、この会社も耐震等級3で設計していますが、2000年以前の古いプレハブ住宅では、必ずしも安全ではないことのようですね。


★熊本地震では、「余震を気にして車中泊が多かった」と言われていますが、震度7の地震を2回受けても倒れなかった建物でも、建物自体の耐震性は、相当低下していたのでしょう。
ちょっとした地震でも揺れが大きくて、とても自分の建物で生活を続ける事が難しかったのだろうと改めて思います。

★我が家も阪神大震災の直撃を受けました。しかし、本震が震度7一回だけだったため、小さな損傷だけだったのですが、でも、翌年の台風で、建物が「ゆら〜」と揺れるのを見ていると、とてもそのまま済む気がせず、かといって今ほど耐震補強・・等という選択肢が頭をよぎることはなかったですから、結局建て替えに踏み切りました。

★だから、「余震を気にして車中泊が多かった」というのは、実感として良くわかります。
いつ、建物が崩れるのではないかとひやひやするんですね。
そうなると、とても住めません。
そういう点では、熊本地震は今までの地震にない特徴を備えていました。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 12:33| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月21日

耐震等級2の住宅が倒壊


・・というニュースが、軽い衝撃となって住宅業界を走ったことでしょう。
熊本地震で震度7を2回襲った熊本県益城町の住宅です。
日経ホームビルダーという業界紙の説明によると、この建物は長期優良住宅の取得のために、耐震等級2の建物としたそうです。

ではなぜ倒壊したのか。
それは、単に震度7の地震が2回きただけの単純な理由では無かったようなのです。

★原因1・・耐震性の低減
この地域は地震が少ないという地域として、地震係数を低減できました。
本来耐震等級2の場合は、建築基準法の1.25倍の地震に耐えられなければならないのが、熊本の場合は「0.9」低減できるので「0.9」をかけて、実質1.12倍として計算していたのです。
まぁ、これでは実質、耐震等級2では無く、いわば等級1.5です。

★原因2・・地盤主因説
この建物の地盤は10m程度まで軟弱な地盤が続く軟弱な層でした。
地盤補強として鋼管杭を施工していました。
そもそも軟弱地盤は地震を増幅させると以前から言われています。
たとえば、よそが震度6でも、軟弱地盤は震度6強程度に増幅され、反対に堅地盤では震度5強程度に弱くなるといった現象です。
つまり、倒壊した主因は、地盤が軟弱地盤だったからということも言われています。
しかし、隣の柱状改良杭で施工した建物は何ともなかったようです。
つまり、軟弱地盤だから地震力がより強く増幅されるという要素だけでなく、鋼管杭という細い杭で支えていたためとも考えられます。


★原因3・・壁の位置が上下不揃い
16-0621.gif要は、右の図のように、2階の耐力壁の下に壁がないのです。
その結果、2階の梁に大きな力を受けその強度不足が倒壊する原因を作ったのではないかと言われています。

不運が3つ重なりましたね。
ここからの教訓は、
1.低減できるからと言って、低減するとダメ。もはや、全国が地震区。
2.軟弱地盤は地震が増幅されるという故事は生きている。
  都市部の住宅の半分は軟弱地盤の上に立っているので、耐震等級3ぐらいにして当たり前。
3.完全に1階と2階の壁を一致させることは不可能だが、せめて構造計算による「梁の強度の確認」は必要。
  耐震等級には壁量計算方式と構造計算の方式がありますが、構造計算の方が的確だと言うことです)


次回は、鉄骨プレハブも倒壊した・・というお話です。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 11:06| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月17日

アパートはなぜ倒壊したのか


南阿蘇村でアパートが倒壊し、学生11名が生き埋めになりました。
このアパートはなぜ倒壊したのでしょうか。
あまり古そうにみえなかった学生専用アパートなのですが、よく報道された横に長い建物は1981年前後の建物のようです。築35年です。
途中に一度、全面リフォームをしたようなのですが、そ耐震補強はしていなかったようです。
そして、当時の建物なので筋交いは、釘で留めているだけの極めて弱いものでした。

16-0617.gifつまり。
築35年と古く、リフォームはしたものの耐震補強はせず、そのため筋交いなども釘で留めているだけ。
しかも図でわかるように、学生用なので一つの区画が小さく、縦に細長い間取りなので左右の壁は玄関横の浴室前に一つと、トイレ付近だけで、洋室の窓側に有効な壁はありませんでした。当時、耐力壁のバランスを定めた法律などありませんでしたから、筋交いなどの位置が偏っていたとしても問題は無いと見なされていたのです。

★古い建物はその時代に応じた耐震補強をしておかないとダメ。
私たちの自宅も同様ですね。仮に築25年〜30年程度経って大規模なリフォームをするなら、その時代に対応した耐震リフォームをしていないと、いざ大地震に遭遇し自宅が倒壊してしまうと、リフォームにつぎ込んだお金など無駄金と化してしまいます。



このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 09:34| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月14日

長い筋交いは弱かった


熊本地震では、古い家が多く倒壊しました。筋交いも釘だけで留めている家が多かったようです。
では、新しい金物を使った建物が大丈夫だったかというとそうでもありませんでした。

そして、今回の地震でわかった事は・・。
長い筋交いはダメなようだ〜・・です。

16-0614.gif右の図は、筋交いを910mmの柱ごとに筋交いを2本いれたもの(左図)と、1.82mの柱の間に一本だけ入れた筋交い(右図)です。
耐震計算上は、実は同じ耐震上の強さを持つものとして計算されています。
しかし、熊本地震の事例を見ると、長い筋交い1本で構成された筋交いは、2本で構成されて筋交いの0.8倍程度の強さしかなかったようなのです。

前回の説明しましたが、筋交いは筋交いの両端の金物でしか留められていません。底に集中的に力が加わります。
左図の2本筋交いを利用した場合は、4つの金物で取り付き、1本しかない場合は2つの金物でしか付かないのですから、考えればそうですね。
いずれにしても熊本地震の事例を見ると「筋交いの多用はよくない」と思ってしまいますね〜。

でも筋交いの強さなど、国が実験をして決めていそうなものなのですが、地震のたびにいつも新たな問題が浮かび上がってきます。地震対策に「完全」という言葉はないようです。

次回は、アパートはなぜ倒壊したのか。
学生アパート全体がつぶれて3人の大学生が下敷きになり無くなりました。
きれいそうな学生アパートの何が、倒壊の原因だったのか。
日経の資料からお送りします。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 09:50| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月09日

筋交いは戦後の産物


軸組工法で多用されてきた「筋交い」
でもこの筋交い、実は戦後の産物なのです。

★エドワード・S・モース 「日本の住まい」
だれしも観光などで神社仏閣に行くこともあるでしょうし、明治時代の古い建物なども観光地には残されています。でも、これらの建物で筋交いが使われた形跡はありませんね。少なくとも見たことがありません。
16-0609.gifエドワード・S・モースというアメリカ人が、明治10年〜12年の間に日本を訪れ、建物の印象を克明に書いています。そこでは、「建物の骨格に筋交いはない。」と明確に断定した上で、続けて「しかし、建物の構造体が弱いときは、(略)控え柱によって柱が補強され、栓でとめられることがある」と書かれています。
控え柱とは、挿絵によると「方杖」や本当の意味の「つっかえ棒」です。

★筋交いは戦後の産物
つまり、私たちにとって非常になじみの深い筋交いは、実は戦後、戦後復興と高度成長の時代にあわせて設けられた耐震上の仕組みだったのです。
しかも、昭和25年の時点で、たすき掛け筋交いの強さは、今の1.5倍と決められていました。さらに、その筋交いは釘2本、あるいはかすがいで留めるだけで良かったのです。

まぁ・・。今から思えば、せいぜい「つっかえ棒」程度の強度しかありませんね。
筋交いプレートが公庫融資の仕様書にかかれだしたのが、昭和55年頃です。
これも使うのは任意ですから、その当時でも釘だけで筋交いを留めている工務店も多くありました。
筋交いプレートを使え、と法律で決められたのは、なんと平成12年。

★高度成長、大量生産の産物
戦後復興と高度成長の時代は、何よりも早さが大事です。悠長に建物など作っておれません。また、戦後多かったのは地震ではなく台風被害でした。そのことも「釘だけで留めていい筋交い」が大手を振ってまかり通っていた理由の一つなのでしょう。

★検証のないまま便利に使われてきた筋交い
今でも軸組工法(在来工法)で建てる工務店が、大工が後生大事に守っている「筋交い工法」
その歴史を知れば知るほど、検証のないまま便利に使われてきた高度成長、大量生産の産物、おそらく、早く建物を建てるための妥協の産物だったのでしょう。

伝統工法だ、なんだかんだと言いつつ、歴史的実体のない筋交いを伝統工法だと思っていたら、それは大きな間違い。そんな勘違いをしている工務店、大工には要注意ですね。





このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 12:16| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月07日

筋交い破断と柱の引き抜き多発


3つめの熊本地震の特徴は、『筋交い破断と柱の引き抜き多発』にあります。

定着するかどうかわかりませんが、この特徴を関係者は『波状的地震』と名付けたようですが、熊本地震の特徴に、必殺KOパンチ連続2発とジャブの集中(波状的地震)がありましたが、そのために、筋交いが破断したり、筋交いの付いている柱が引き抜かれる家屋が多発したようです。

筋交いが多く破断した理由は、繰り返し繰り返し、しかも極度に集中して訪れる波状的地震に対して、『筋交いに粘りが無かった』ためと考えられています。

★耐力壁には、『筋交い』と構造用合板やダイライト、MDFなどを使った『面材耐力壁』の2つがあります。その違いは、下図からも明らかですね。

16-0607.gif


★筋交いは、柱に止められますが、筋交いの両端の筋交いプレートという金物だけでつけられています。この金物に使うビスの量は一般的に26本です。

★構造用合板などの面材耐力壁では、軸組工法の場合150mm間隔で釘を打っていき、その数は階高2.8mの建物では68本にもなります。

見てもわかるように、「筋交いでは、どうしても筋交いの両端に力が集中してしまう」のに対して、「面材耐力壁では力の分散が出来ます」ね。

この分散と集中の違いが、『波状的地震』という特徴が加わって、『筋交いの破断や柱の引き抜きの多さ』になったのだろうと思います。

★でもそれだけではありません。
筋交いの歴史って、本当に新しく、本格的に使われ出したのは戦後の建物からなのです。
その話は次回に・・。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 09:35| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年06月02日

12ラウンド分のジャブが、1ラウンドに集中


熊本地震の特徴の1つめは、一発KOパンチが2回たてつづけに襲いました
それは前回お伝えしたとおりです。
2つめの特徴は、ボクシングで言う12ラウンド分のジャブが、1つのラウンドに集中して放たれました

ボクシングは12回戦、15回戦など大きなタイトルの試合はラウンド数が多くなります。
そして、ボクシングでジャブはいわばけん制として、1ラウンドに何度も繰り出されます。

これを地震に置き換えるとわかりやすいです。
ラウンド数は月数です。ジャブは余震です。
ジャブは大きなダメージは決して与えませんが、繰り返し打たれるといやなものですし、ダメージの蓄積につながります。
さて・・・。

阪神大震災の時の余震が1000回を超えるのに1年かかったそうです。
ところが熊本地震では100回の余震に達するのに、たったの1ヶ月しかかからなかったそうです。

16-0602.gif


う〜ん。
一発KOクラスの本震が2回たてつづけに襲い、余震が1ヶ月に集中して起こると、よほどの建物でも受けるダメージは大きいですね。今までにこんな地震(本震2回、余震集中)は初めてです。
そんな中で、「筋交いはもろい」という傾向がわかりました。

それは次回に・・。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 10:06| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年05月31日

震度の感覚


熊本地震の特徴の一つに「震度7の地震が2回きた」というのがあります。
実は、「震度」というのが感覚的にものすごく曖昧で、震度1から震度7まで階段的に続くので、震度7は、震度5の2ランク上の強さ、と思いがちです。
でも、震度と加速度(ガル)の関係は、下の図のように階段的ではありません。

16-0531.gif


また、加速度(ガル)もわかりにくい指標ですが、あえておおざっぱに言えば、加速度=殴られる強さ、パンチ力と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

たとえば、上の図で震度5の加速度(ガル=パンチ力)は、80〜250の範囲です。
震度7の加速度(ガル=パンチ力)は400以上で、阪神大震災の時は891ガルだったそうです。
そうすると、パンチ力で言うと、震度7って、震度5の3.5倍以上(891÷250)のパンチ力なんですね。
震度3と震度7では、なんと36倍(891÷25)の差があります。
震度6と震度7でも倍程度(891÷400)の差があります。

もっともパンチ力が2倍ってどんな感じ・・という疑問も沸きますが、
・震度7は、ボクシングでいう一発KOレベルのパンチ力。
(柔な相手は倒れます)
・震度5って、判定にもつれ込む決定打の無いパンチ力の応酬と言った所でしょうか、
(ダメージは受けますが、そう簡単には倒れません)
・そして震度1や2は、軽〜い、軽〜いジャブ程度のパンチ力なのでしょう。
(数打ちゃ当たると同じで、あまりに回数が多いとダメージがでます)

そりゃあまぁ、一発KOのパンチが立て続けに2回もくれば、大概の建物は壊れるでしょうね。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 12:02| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年05月08日

いつでも、どこでも


下の図は、昨日の産経新聞の地方版に載っていた最近の地震の起こった場所を示した図です。
前回、境界プレート型地震は周期的に発生しており、周期がつかみやすい。
それに対して内陸型の地震は、周期が規則的でないので、いつ発生するかわからないと書きましたが、この図で言うと、まぁ、いつ、どこで地震が起こっても仕方ない。
内陸型地震の予知など不可能。
それに備えよ・・ということですね。

ところで、熊本地震の次は数年後に広島、愛媛方面らしいです・・。
そういう古文書があったそうです。

16-0508.gif


次回は、「建築条件付きの同時契約は違法(正しくは不適切契約)」というお話です。
大手ハウスメーカーですら平気でやっている同時契約に国交省中部地方整備局が監督処分を下しました。そんな良いニュースのご紹介です。


このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 13:23| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年05月02日

熊本地震:2つの特徴


少しずつ熊本地震の全体像がわかってきましたが、この地震は大きく2つの特徴があるようです。

★余震の異常な回数
熊本地震の震度1以上の余震は、たった2週間で1000回を超えたそうです。
最初は、この余震の回数を聞いても、多いのか少ないのかすらわかりませんでしたが、この余震の多さは今までの地震では経験がなく、新潟中越地震でも1000回を超えるのに1年かかったそうです。
・余震で建物が壊れる
そうすると、建物にとっては、繰り返しの地震力が何回も何回も短時間に加わるために、後の余震で倒壊した建物が多いと聞いています。
最初、庁舎や体育館が使えなくなったというニュースを聞いて、「耐震補強が遅れていたのか」と思っていたのですが、そうではないことが初めてわかりました。
・余震があまりに多すぎて、怖くて戻れない
また、人の立場で考えると、家は倒壊をしていなくても、これだけ余震が多いと、家をいること自身が不安になり、結果として車中泊や避難所泊まりになる人たちが増えた要素の一つのようです。

★活断層型地震は予測できない・・1万年に1回の活動しかない
・そもそも予知できない
これは私も初めて知ったことですが、そもそも東日本大震災は境界型プレート地震です。今注意が呼びかけられている東海、東南海地震も境界プレート型です。
この境界プレート型地震は、100〜数百年の間に周期的に大きな地震を起こすために、比較的予知がしやすい。まぁ、予知と言うよりは、「前の地震から間が開いているから注意しろ」という程度の予知ですが、それでも「必ずある」と言うことは言えます。
しかし、活断層型地震は、5000年や1万円も活動しないことが多い(らしい・・)。
つまり、境界プレート型地震に比べれば、そそもそ予知など鼻から不可能と言うことになります。
だから、九州の人が「ここは地震が少ないです」と思っていたことはあながち間違った考えではない。
結局、日本に無数にある活断層は、自分たちが住んでいる時代に地震を起こすかもしれないし、起こさないかもしれない。起こしても地震の規模など全く予測できない。

・活断層が2つの県をまたがり長い距離で活動した
今回の地震は、熊本県と大分県の活断層が動きました。この長さは新潟地震や阪神大震災とは全く異なる活断層の連続した活動でしたね。

同じタイプの地震、災害が本当に無い。
いろいろ考えさせられる熊本地震です。

16-0502.jpg


このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 12:04| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年04月25日

当てにならないもの:専門家の話


当てにならないもの。
まぁ。世の中いろいろあるんでしょうが、専門家・評論家の話も当てになりません。

今回の熊本地震は、『東南海地震の前兆である』。『いや、関係ない。
どちらも専門家が言っています。

もう一つ、世の中で全く当てにならないもの。
それは『経済評論家』の話ですねぇ。
景気がどうなる、株がどうなる。ファンドメンタルだ、どうだ、ともっともらしく言っているものの、さっぱり当てになりません。

世の中どうなろうが・・。
専門家、評論家の話など関係なく、やはり「備え」なくして明日はない・・・!

そんな事を思っていたら、昔、昔の映画にシルベスター・スターローンが端役で出ていました。
スクリーンにでていたのは、せいぜい1分前後。
でも、その1年後に「ロッキー」のヒットを掴みます。
シナリオを自分で売り込み、小さな映画館からスタートしたとか・・。

チャンスを掴むための地道な努力。
万が一のための「備え」も、チャンスを掴むための努力も、何となく同じだなぁ〜、と思いながらこの映画を見ていました。

何事も、コツコツ、コツコツ、コツコツ、コツコツ・・・・。
今回の熊本地震が、東南海地震の前兆であろうが、関係なかろうが、「備えあれば憂い無し」


16-0425.jpg

写真左:1975年「さらば愛しき女よ」
写真右:1976年「ロッキー・1」
さすがに、「さらば愛しき女よ」にでていたシルベスター・スターローンは、娼婦館のボディガード役でどう見てもにやけたイタリアン移民丸出しの顔ですが、「ロッキー」以降、一皮むけた役者になり、そしてスターの座を掴みました。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 17:03| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年04月21日

地震の頻度と、地震保険の料率


熊本は地震の「安全地帯」、東北は「危険地帯」――こんな記載が含まれていたWebサイト「企業立地ガイドKUMAMOTO」を、熊本県が4月20日に削除した。熊本地震を受け、「内容を1から見直す必要がある」(県企業立地課)と判断したため。』というニュースが流れました。(itmediaニュース

★でもねぇ。これ熊本県はちっとも悪くありません。
地震保険の保険料率を算定している「損害保険料率算定機構」というところでは、熊本県は地震保険の料率が下の表のように基準よりも65%にも低くなるのです。(損害保険料率算定機構
料率の資料

つまり、熊本県の保険料率は0.65(イ構造)で一番低いですね。
要は安い=地震が少ないと考えられているにほかなりません。
16-0421-2.gif


★国が地震の発生しやすいエリアを3等級に分けているんです。
どうして保険料率が違うかというと、耐震計算でも、熊本県は東京など大地震が予想される地域の地震力よりも1割低く計算しても良いと言う法律になっているんです。
これはどういうことかというと、耐震等級3は、建築基準法で想定した地震の1.5倍の地震力に耐えられる。
ところが、1.5倍にしたものを0.9倍すると、1.35倍。
地震はきっと少ないから、少し緩い方にサービスしちゃうよ・・と言うことですね。


16-0421.gif


上の図の白いエリアは、地震など来ないから大丈夫だよ・・とされていた地域なのです。
ところが、そんな熊本にM7.3、震度7の大地震が来た。それも断層が連鎖的に移動ながら地震を起こしている今までとは全く違うタイプの地震ですね。

地震に限らず、「災害は忘れた頃にやってくる」
備え怠るにしかず・・でしょうか。


このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 21:52| Comment(0) | 熊本地震に思う

2016年04月20日

地震と確認申請


災害列島日本。
同じタイプの災害はほとんど無い。
熊本地震をみてそう思います。
熊本地震は、熊本の南部から大分の北部を縦貫する連続した活断層が割れたもので、ここまで広範囲の断層の活動も初めてなのではないでしょうか。

16-0420.jpg報道写真を見ても、結構、瓦屋根の建物の被害が多いようですが、同時に少し古い家が多いとも感じます。
このエリアの大都市は熊本市以外にはなく、市があってもせいぜい人口数万の小さな市ですし、災害報道を見ても、「熊本県、○○町」といったように行政単位が「町」であるエリアも広いようです。

以前、何度か九州地方の方から欠陥住宅や工事の不具合の相談を受けたことがありますが、意外に多かったのは「この地域は確認申請がいらない地域なんです」という返事でした。

大都市圏に住んでいると、「家を建てるのに確認申請を提出しなければならない」というのはごくごく当たり前の事なのですが、反対に地方に行くと、「家を建てるのに確認申請はいらない」という地域もあります

確認申請を提出しないので、審査も検査もなく、耐震設計や耐震工事を理解しないまま工事をしていたり・・といった相談も受けたことがあります。

また、都会のように合い見積もりを取って、という「ドライなつきあい」ではなく、知り合い、身内、知人の紹介といったいわば「縁者のつきあい」で業者を選んでいる例も多いですから、それがトラブルの温床となっている場合も多かったですね。

このブログに対するご意見や批判があれば、ウェブサイトのメール案内からメール送信してください。
なお、ブログに対するメールをいただいても、ご返事をお約束するものでありません。


『図解入門 よくわかる断熱・気密の基本と仕組み ・第2版』を出版しました。
省エネ・断熱・結露・効果的なエアコン配置・内部結露・熱帯夜」などに関心のある方にお勧めです。
下記の図をクリックしていただくと、アマゾンにリンクしています。
右の「間取り図でわかる買っていい家悪い家」は、2012年9月に出版したものです。


   AA116.jpg        book-2.gif


↓よかったプチッと一押しお願いします↓
にほんブログ村 住まいブログへ

570-end-2.gif
posted by WM.Hori at 10:35| Comment(0) | 熊本地震に思う