2009年09月15日

惑わされないように・・・

 今週は「現場監督」の話を進めるつもりだったのですが、昨日、「生産者と販売者が同じだから、住宅業界は目に見えない格差がある業界だ」という構造的な問題を書いてみました。。

09-0915.jpg そういう業界だからこそ、良い生産者であっても、販売(営業)が上手でなければ埋もれてしまいますし、反対に腕は悪くても、営業が強ければ仕事は伸びる傾向にあります。

 では、そんな業界に目に見えない格差(業者の善し悪し)をどうやって見抜けばいいのでしょうか、と考え込んでしまいますが、たぶん、それは永遠の課題でしょうし、ここを見れば絶対に見抜ける・・・なんてものも無いでしょう。

 でも、一つの傾向はあります。全てとは言いませんが、間違った業者に捕まる人に多い傾向は、「安い」「サービスが豊富」「すぐしてくれる」といったいわば買い手側の心理につけ込むのがうまい、という特徴があります。いわば「惑わされた」という状態です。

「惑わす」={正常な判断力を失わせて、人を不安におとしいれたり、混乱させたりする。」

・早く契約をして、金利が上がる・・・と急かされる
・この値引きは今回だけ・・・・・・・思わされる
・安い価格で・・・・・・・・・・・・つい契約する気になる
・知り合いだから・・・・・・・・・・と遠慮する

 営業マンって、自社の商品にアピール性が無ければ、そして、営業マン自身が自分に自信がないほど、相手を「惑わせて」契約を獲得しようと「画策」します。

 これは、古今東西同じですから、「惑わされないように心がける」ことが大事かも知れませんね。でもねぇ。「安い!!」と思えば気が行くし、「今しかない」と言われればその気になるし・・・・

 結局、絶対なんていう事はないのですが。。。
 だから、人間社会にトラブルと悪徳業者は無くならないのですが。。。

 う〜ん。むずかしい・・・・・・。
 でも、営業マンは、「惑わす」のがお上手。。。


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2009年09月14日

格差が当たり前の業界

 先週末「格差の業界」というタイトルを、「住宅業界を知れ」の中に追録しました。一つの流れの中の1ページの追録なので、これだけを見るとややわかりにくいので、今日は少し住宅業界の大事な特徴についてのおさらいです。

 ・なぜ、これだけ「住まい」を決めるということが大変なのか。
 ・合い見積もりを取ってもなかなか比較出来ない
 ・最後は値段の差で選ぶしかないのか
 ・パンフレットの中身は各社各様。なにを基準に選ぶ。
 ・統一した基準がないから、自分で決めるしかない
 ・多くの業者に当たるのは大変手間がかかる
 ・どこまで値引きが出来るのか分からない
 ・本当に信頼出来る業者かどうかなんて所詮分からない


 不安や疑問を上げれば、キリがありません。

■企業規模の大小
 その一つの理由は、年商1兆円、施工棟数1万棟を超える大企業から、年間2.3棟しか建てていない零細な工務店まで、その企業規模たるやまさにピンキリです。
 ここまで企業規模の格差が広ければ、あらゆる部分で格差が出るのは当然ですね。価格の格差。品質の格差。設計やデザインの格差、アフターサービスの格差などなど。
 ところが、その格差と言っても必ずしも大企業ほど優良なのだ・・と行かないところがこれまた悩ましいところなのですね。

■生産と販売が同じという弊害
 ところが、もっとも根元的な問題は、今回アップロードしたページに書いてあるのですが、生産者と販売者が同じである、と言うことなのです。

 大企業が作る家電製品。零細な農家が作る生鮮食品。そのいずれもが販売店というフィルターを通して販売されています。
 扱いにくい商品やクレームの多い商品は、勢い販売店が敬遠しますし、売りやすい、管理しやすい事を目的として生鮮商品にも品質管理という枠がはめられます。

 つまり、私たちが買っているほとんどの商品は、生産者と販売者が別々に存在しており、どちらかというと販売者がふるい(フィルター)をかける役目をしていましたし、わかりにくい商品は販売店の店員が説明もしました。




09-0914.gif ところが、住宅というものは、全て製造者(工事)と販売者(営業)が同じです。口八丁手八丁で販売(営業)に長けた業者でも、工事(製造)はデタラメ・・というものが欠陥住宅を作り出しますし、スーパーや家電店のように、いろいろな商品が販売店の中で同居しているようなスタイルではなく、住宅会社という販売者がバラバラに存在していますから、その販売者を捜すこと自体に多大な労力を使います。

 そして、スーパーのようにフィルターがかけられていませんから、その販売者が作る製品が良い物なのかどうかは、結局自らが判断をするしかありません。

 このように考えていくと、実は住宅を建てる、買う・・というのは、文字通り「格差があって当たり前の業界」の中をうろうろしているのが消費者だ。という事ですし、その自覚が何よりも必要な購買活動なのですね。

 ・製造者とは別の販売店が、商品を選別してくれているわけではない。
 ・その販売店すら、自分で探さなければならない
 ・その販売店の品物が良いのか悪いのかは、どこにも示されていない
 ・何回も買い物出来ない1回限りの買い物である
   (だから掲示板の口コミ情報が成り立つともいえます)


 こう考えていくと、住宅業界と言うところは、格差(不良品を含むバラツキ)があって当たり前の業界だ・・ということを頭に入れて買い物をする必要があるんですよ。
 企業規模だけが必ずしも格差やバラツキを生じさせるわけではないのです。その最大の原因が製造者と販売者が同じだという業界の構造的な成り立ちそのものなのです。



 以上、ある方にとっては予習。ある方にとっては復習のようなお話でした。


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2009年06月09日

金を握っているものが強いんじゃい!!

 昨日、「呆れた保証会社」の話をしましたが、早速にノンさまからコメントをいただきました。すでに読まれた方もいると思いますが、一部をご紹介すると

『今の日本は何でも保証保証・・・!保証のためには、手間もお金もかかります。でも、その保証も(かなり)限定的で、いざというときに役に立たなかったり・・』

『完成保証制度については、とくに「過払い」を避ければ、消費者のリスクは最小限にできるものですよね。保証よりもリスク管理、根本的に支払い方法を見直す・理解してから支払うなどの対策が、消費者・メーカーに必要だと思いました・・・。』


 それとは別に、先週の日曜日に、私の事務所に相談に来られた方がいました。(その方もこのブログを見られているようですが・・・)
 その方の支払条件は、注文住宅でありながら、全額完成時支払なのです。

 まぁ。あっばれ!!としか言いようがないですが、その方曰く、「こういうご時世だから相手も飲んだのでしょうかねぇ」という感想と同時に、私も「資金繰りに窮していない。倒産する心配もないからそういう支払条件でも飲むことが出来るんですよ」
と返事をしたのですが、改めてノンさんのコメントと、その方の話を考えてみると、実にシンプルな事を発見しました。


それは、


『金を握っているもんが強いんじゃい!!』

ということ普遍的な原理なのです。



 住宅トラブルを見ていても、打つ手が無い多くのケースは、過払いをしてしまっている。全額支払って引き渡しを受けた後に欠陥が分かった・・といった相手にすでに金銭を支払っているがために、強気で交渉出来ない、相手によっては、けんもほろろにあしらわれる、という場合がほとんどなのです

 そんなトラブルの話を別にしても、日常生活でも山の神には逆らえない・・といった話があるのと同じように、お金を握っている人間が誰なのかで、購買の決定権が変わってきますね。

 住宅も、保証とか、過払いとか、倒産とか、リスク・・・なんて難しい言葉を並べるから、何か難しそうに思うのです。

 そうではなく、

『金を握っているもんが強いんじゃい!!』

 ・銭はしっかり握っとくもんや!
 ・ここぞと言うときに銭は使うもんや!
 ・銭の値打ちを知って使いや!

 なんて感覚は、古くて遠い貧しい昔の時代に捨て去られてしまったのでしょうか。

 でも自分のお金なんです。。。。

 あるいは、

 お金。というきれいな言葉を使うからダメなんですね。

 自分のカネや!!自分のゼニや!!



09-0609-1.jpg・・とまぁ、知ってる人は知っている「ナニワ金融道」的なノリになってしまいましたが、とにかく、『金を握っているものが最も強い!!』のは、どんな時代でも、どんな国でも、どんなシチュエーションでももっとも有効で変わらない普遍的な法則です。。。

 まぁ。やや過激な表現ですが、改めてお金というものの原点を思い起こしませんか。。。
 でもそうなれば、リスクなんか、倒産なんか、トラブルなんか、決して怖く無いと思うのは私だけでしょうか。



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2009年06月08日

呆れた保証会社

 先月、群馬県にある「(株)花菱(群馬県太田市飯塚町801-9)」という会社が事実上の倒産をしました。「事実上」と書いたのは、破産申請や、更正法の申請といった法的手続きを一切しないままに社長が夜逃げをし、事実上会社が機能しない状態に陥ったため、後追いで「事実上の倒産」報道となったわけです。

 社員50人、年商21億円程度だったようで、群馬県の県内有力ハウスメーカーの評価を固めつつあった、と言われていました。零細企業の夜逃げ倒産はよくあるものの、この規模での夜逃げは珍しいです。

 それはさておき、この倒産のおかげでまたも、
「着工後未完成の住宅が約50件、入金後未着工の物件が約10件ほどあるという」
「約1800万円の工事の契約直後に600万円を支払い、住宅ローン分と合わせ、すでに1400万円を支払った。」
「昨年8月に契約金として100万円を支払い、その後、担当者に「値引きするから」と何度も勧められ、着工金・中間金として900万円を着工前の昨年中に支払った。」
と言ったことも起こっているようです。
(東京新聞、朝日新聞 0523)

 しかし、幸いな事に一部の施主は、「完成保証制度」に加入していたために、少しは救われそうなのですが、問題はこのこと。




・・・・・・・・・・・・・・・・
以下、読売新聞の6月2日の群馬県版を引用すると

■花菱問題、住宅完成保証の支払い進まず(読売新聞 0602)
太田市の住宅建築販売会社「花菱」(田島光夫社長)が、受注した住宅工事を放置したまま事業を停止している問題で、施主の損失を補填(ほてん)する「住宅完成保証」の支払いが進んでいないことが1日、わかった。同社が法的整理をしていないことが主因とみられるが、保証契約した一部の施主や弁護士からは、保証会社に対する不満の声が上がっている。

 花菱は東京都内の保証会社に登録し、ホームページなどで「安心の制度」として完成保証を紹介。登録業者の倒産などで完工不能となり、別の登録業者が残りの工事を引き継いだ場合、支払い済み代金と工事の進捗(しんちょく)分との差額と、追加で発生した費用を合わせ、1棟1000万円を限度に保証する内容だ。

 加入は任意で、施主は登録業者を通して保証会社に保証料を納める。建物の引き渡し前に登録業者が破産を申し立てた場合などが保証対象となる。花菱では、十数人の施主が保証契約をしているとみられる。

 花菱の場合、社長の所在が不明で法的な整理もついていないが、保証約款には「建築請負契約を遂行できなくなり、建築物を引き渡せないとき」も保証原因になると明記されている。読売新聞の取材に対し、この保証会社は1日、「契約条件通りに差別なく判断し、誠実に契約を実行する」としたが、花菱の施主への支払いの有無については回答はなかった。その一方で、この保証会社は「建築業者の破綻(はたん)増加などの変化に対応する」として、同日、保証限度額を「700万円、または請負金額の3割かの低い方」と引き下げると同時に、保証料は従来の約3倍に引き上げた。(引用終わり)




■この保証会社とは、JIO(株式会社 日本住宅保証検査機構)のこと。
09-0608.gif
 この会社は、もっとも古くからあり、かつ、シェアの高い会社ではないかと思いますが、あろう事か、たった十数件の完成保証の発生でうろたえ、従来1000万円までの完成保証を謳っていたものを、700万円にまで保証を引き下げ、保証料も約3倍の金額に引き上げたのです。この1000万円の保証額は、3/24のブログ「完成保証のいろいろ」でも紹介していたものです。

 そして、この報道を見て、改めてJIOの完成保証のページを見ると、確かに700万円に減額されていました。保証金については、記録していなかったので分かりませんが、3倍に引き上げたのでしょう。

■この報道とJIOの対応を見て、本当に情けなく感じました。
 たった十数件の完成保証にビクつき、あっという間に保証料も保証額も変更する身勝手な対応。資本金5億円、従業員500人超えの企業が信じられないほどの呆れた自己本位の対応です。他の業界、たとえば生命保険や損害保険業界でこんなにコロコロ保険内容が変わることがあるのでしょうか。
 あるいは、街のレストランが、野菜の高騰だ、小麦粉が上がった・・といって、コロコロ料金を変更したのでしょうか。ガソリン代が次々と高騰していた昨年。ガソリン代が上がったからと言って運送代の値上げが許された運送会社があったのでしょうか。

 そんな世間のなりわいを思うとき、

 消費者の事などどうでも良く、不況で苦しんでいる世間など関係なく、「我慢」という言葉など知らないかのように、所詮は我が身かわいさと、自社に手続きをしてくれる「業者本意」の会社でしか無いのでしょう。
 あるいは、いろいろなに保証保険を扱っているというお店の賑わいのために「完成保証保険」も売っているぞ〜。という程度の感覚でしか無かったのでしょう。

 こんな事では、以前お伝えした「基礎が痛んだから完成保証は出来ない」なんて答えた別のもっと小規模な完成保証会社の厚顔無恥な態度もなるほどと感じてしまいます。



 自己保身(自己の利益)だけを唯一の基準とするかのような保証会社に、

 まともな制度設計もしていない保証会社に、

 本気で保証などする気のない保証会社に、

 つくづくあきれ果てた・・と感じた事件でした。







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2009年01月14日

つくづく住宅会社っていい加減!!

 まぁ。全てが全てこんな会社ばかりではありませんが、このタイトルは、当サイトのサポートサービスを受けられて、住まいが完成した後にいただいたメールのひと言なのですが、建てられた住宅会社は名の知れた大手です。

 「壁紙のほとんどを間違えたり、基礎の化粧モルタルを雨の日に施工してボロボロになったりと最後まで気が休まりませんでした」
 「私は機械製造で品質管理の仕事をしているのですが、かなり意識の差があると感じました。私は仕事柄細かいところがあるのかとも思いますが、それにしてもアバウト 過ぎるかと・・・」


 この方は製造関係の方ですが、そうでなくてもいまどき、『品質管理』なんて言葉は書くまでも無く、当たり前のことだと思います。でも、住宅会社で曲がりなりにも『品質管理』と称するものをやっているのは、せいぜい大手の一角だけでしょうね。その代わり住宅の価格は高いです。

 昨日の続きですが、なぜ、冬なのに弱いコンクリートを平気で打つのか・・を考えれば、それはもう、『品質管理』なんて言う言葉以前のレベルだからですね。

 特に小さな会社は、そのわずかしかない技術者(設計者や現場監督)の力量に大きく大きく作用されてしまいます。コンクリートの知識もなく、ただ実際に工事をする基礎屋に『いついつまでに基礎を終わらせろ。基礎の工事費は○◎だ!!』という納期と下請けへの発注価格だけが仕事だと思っている現場監督が多いですから、コンクリートの強度は大丈夫が・・・なんてとてもとても気がつきません。
 設計者は、図面を書けば終わりで、後は現場監督が適当に建てるさ・・と現場には見向きもしません。
 そして後は基礎屋にお任せで、外気温によってコンクリートの打設強度は変えなければならない・・なんて知識も持ち合わせていないし、仮にそういう知識があったとしても、物言えば唇寒しのように、一言余計なことを言ったら、下請けから別途請求されるから言わないでおこう・・なんてヤツもいるかも知れません。

 そういう背景が見えてしまうと、悲しいやら、情けない気持ちになるのが、いつも冬には数回は聞く、『21N/mm2のコンクリートで良いのでしょうか』という建築主からの質問です。

 建築士の立場になれば、たった1〜2万円程度の追加費用など、喜んで出すでしょうに。。。そういうコミュニケーションも取れない情けない住宅会社もあるんですね!!

 今日は、つくづく住宅会社っていい加減!!・・というお便りのご紹介と、その言葉に同調せざるを得ない実態のお話しでした。(この基礎コンクリートの強度の話だけは、いつもあまりに情けない話なので、私自身暗くなってしまいます)(わずか1〜2万円で改善出来るのに・・という意味で)



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2008年10月07日

業者、設計者のレベルとレストラン

 皆さんは、住宅会社・ハウスメーカー・設計者・工務店をどうとらえていますか。そして、そのそれぞれにもある程度のレベルの差はあるのだろうな〜ぁ。と漠然と思っていると思います。
 でもその違いを説明するのはなかなか塚しい事ですね。実は、レベルの違いとは『力量』の違いなのです。
 

 でも、それを端的に表す例えがあります。
 それは、「レストラン」

08-1007.jpg およそ世の中のレストランという物には、大きく分ければ次のような種類がありますね。

大衆食堂・・安いし、庶民的だが、大した味は期待出来ない

ファミレス・・ほどほどに安く、味は安定しているがアキが来る。どこに行っても味は変わらない。

高級レストラン・・まぁやや高めのレストラン。味は美味しいがかといって、とびきりと言うほどでもない。でも個性を感じるメニューもある。メニューのバラエティは豊富。

専門料理店・・たとえばフランス料理専門店と言ったところですが、味もメニューも飛び抜けて良いが、値段は高い。。。

といった所でしょうか。

 そして大事なことは、あなたが相手にしようとしている住宅会社・設計者はどのレベルなの??たとえば「レストラン」でいうとどんなところなの、ということを知っておくといいですよ。

 ローコストFCチェーンとか、高級路線を行く特異な住宅会社であれば広告などのいわゆる外観だけでも分かりますが、ほとんどは看板や店舗のファサード・メニューでわかる訳ではありませんから、これを知ろうとすると「相手とコミュニケーションする」しか方法はありません。
 まして設計者などは看板もバンフレットもありませんから、なおさらその力量を知ることは難しいですね。

 また、いわゆる大衆食堂レベルの会社が、高級料理を提供出来る保証はどこにもありませんし、高級レストランにローコストな物を要求しても無理な話です。

 これは設計者・建築士と言われている人達にも全く同じで、設計者のレベルも様々です。

 「建築家」と言っている人達は個性を売ることが一つの武器となっていますから、いわば専門レストラン的な色彩が強いですし、ホームページもデザイン性が高くわかりやすいですが、相性が合わなければなかなかうまくいきません。

 反対にファミレスのようなレベルの設計者は、お客さんの要望をそつなくうまくアレンジする能力は高くても、独創的な設計をしたり、高度な知識で設計を引っ張っていく、微にいり差異に入り細かな提案をしてくれる・・と言うタイプではありません。

 大衆食堂の住宅会社や設計者は、親切だけれどもあか抜けしない、人によってはもっとも世の中の流れについて行ってよ・・と感じてしまう人達かも知れません。

 このように、住宅会社や設計者・建築士のレベルを、レストランに置き換えて考えて見ると、意外と冷めた目で見えるかも知れませんよ。

 何しろ腐るほどいる住宅会社・設計者ですから、そのレベル、『力量』の差は千差万別ですよ。
 そして、少なくとも、みんな一定のレベルなのだ・・と決して思わないことです。



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2008年08月22日

お客さま争奪戦・はじまり・はじまり・・

 お客さま争奪戦
 もちろん、お客様とは、これを見ているあ・な・たのことです。

 昨日、住まいの水先案内人のサイトに「衝撃の未来−20年でパイは半減していた」をアップロードしました。と書きましたね。

 その後の事を書き忘れていました。

 2007年の住宅着工戸数は約106万戸だったようです。これは、建築確認の法改正で申請が停滞したためで、前年比17%減だったそうです。つまり、通年なら127万戸程度です。

 ところが、2011−2015年の平均着工戸数は約90万戸。70%近い減少です。(野村総研発表)

 まさに、これから、少ないパイ(あなた)を巡って、住宅会社のなりふり構わぬ争奪戦が始まります。

 心地よいセールストークが、
 気持ちの良いほどの値引きが、
 きっと耳に心に響いてくるでしょう。。。

 でも・・・・

 これ以上の話は、文字通りあ・な・たの『想像力』と『リスク回避能力』を研ぎ澄ましてお考えください。



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2008年08月21日

あんたの会社。10年先どうなっているの・・・

 今日、住まいの水先案内人のサイトに「衝撃の未来−20年でパイは半減していた」をアップロードしました。

 中身はいい話ではありません。バブル絶頂期と比較して2015年には、業界全体の売上高は半分に落ちる・・という予測なのですが、今年、不動産不況が始まり、建築資材の高騰で不動産会社が倒産し始めています。続いて建築業者の倒産も始まるでしょう。

 住宅業界は、この建設業界の中でもまだ安定した業界なのですが、それでも少子高齢化の波は避けようがありません。それは住宅需要の減少につながります。

 つい最近ですが、(財)住宅保証機構やJIO等に代表されるような民間の10年保証の会社にすら加盟していない住宅会社と契約される方がいます。

 たった10万円ほどの費用がもったいないのか、その会社自体が10年保証の会社に登録していないのか分かりませんが、建築主の立場からすれば、本当にリスクの高い契約です。

 家を建てるなら、家を買うなら、保証会社の10年保証は入ることは最低限のリスク軽減策でしょうね。

「あんたの会社。10年先どうなっているの・・・」

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2008年08月01日

私、建築難民なんです。

 ・・というお電話を頂きました。

 話を聞いてみると、A社に聞いても、B社に聞いても、果てはC社に聞いても言うことが違う。私は何を信じたらいいのでしょうか。ということなのですが、その方が建てようとしていたのは、4階建ての鉄筋コンクリート造の建物で、住居+何かの施設の併用なのでしょう。概算でも1億円程度かかりそうな建物です。

 実は、この規模というのは、一番中途半端な規模なのです。

 その前に、皆さん方が建物あるいは建築・・と思っている業界にも大きくは3つのグループがあります。そして、そのグループはそれぞれ気質も性格も習慣も全く違うのです。

08-0801.jpg それは、「建築業界」「住宅業界」「不動産業界」です。

 「建築業界」は主としてビルやマンション、工場など金額で言っても1億円以上の大きないわば収益物件や事業のための建物が中心です。

「住宅業界」は、文字通り住宅専門で、4階建てのRC建物など逆立ちしてもやった経験がありません。

 「不動産業界」。これは、建売と考えればわかりやすく、土地を売るために建物を造っているのさ、という程度の感覚で建物を見ています。(一面として)

 そして、4階建てのRC造となると、「住宅業界では手に負えません」。かといって「建築業界」は縁遠く感じます。

 そういう業者選定のミスマッチがあって、訳の分からない業者が、やったこともないのに、アーだ。コーだ。といっていたのかも知れません。
 地方に行くと、公共工事の大きめの建物もしながら、小さな個人住宅もしている工務店はよく見かけるのですが、都市部ではほとんど最初に区分けした3つのグループに分かれてしまっています。

 ある方が傾斜地の土地を買いましたが、すべて傾斜地という特殊な土地だったため、業者選びに2年間もかけたそうです。
 いや、かかってしまったと言うのが正解でしょう。

 この方の言う建築難民なのではなく、この業界は3つのグループに分かれている。
 そして、それぞれ癖があり、特徴があり、慣習があり、得意不得意がある、ということを知っているとミスマッチもなくなるのですが、それが分からないと、ついつい住宅が建物の中心であれば「住宅業界」の会社を尋ねがちです。
そして、3つも異なるいい加減な返事が来て混乱するのでしょう。だって、どんな会社だって、「私、そんな仕事したことありません」「仕事いりません」なんて言いませんからね。

 傾斜地である。特異な形状の土地である。変わった建物を建てたいなどなど、イレギュラーな建物ほど、広範囲で業者を捜す必要があるのです。
 工務店は、なんでもできるなんて思ったら大間違い。経験のないものはうまくできないし、今までに倍する規模など失敗するリスクの方が高いでしょう。

 特に今まで数十坪程度の建物しか建ててこなかった工務店が、突然、倍する規模や特殊な構造の建物を手がけて失敗する例は多いですからね。

 それは、いわゆるミスマッチなのです。
 ・規模のミスマッチ、構造のミスマッチ、技術のミスマッチ、経験のミスマッチ・・・・・・


 次回は、「建築業界」に棲む設計事務所と、「住宅業界」に棲む建築家の大きな大きな違いをご紹介しましょう。


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2008年07月01日

大変だぁ!の裏を見よ!

 今日。住まいの水先案内人のサイトに「大変だぁ!」というタイトルのコラムをアップロードしました。
 最近は値上げのニュースばかりですね。

 消費者物価指数が1.5%を越え、15年ぶりという報道もされていますが、この程度の物価上昇は過去にもいくらでもあったことです。
 まだそんなに家計に響かないのに、何となく「大変だぁ!」と思うのはなぜだろう・・・と考えていると、昔の物価高とは大きく違うところがありますね。

 それは昔は物価も上がったけれども、賃金も上がっていた・・ということなのですが、今は物価は上がれど、賃金はあがるんかいなぁ??と言うことなのでしょう。

 そして、「大変だぁ!」と真剣に思っている業界があなたの身近にありますよ。

 それは、建築・不動産業界。
 これからお家を買おう。お家を建てようとしている”あ・な・た”は、そんな業界にとっては絶対に離してはならない上得意様なのです。

 それは、なぜか。

 下の表を見てみましょう。昨日発表された5月の建築着工統計(面積)の推移なのですが、昨年6月末の建築確認の手続き改正、そしてニュースにもなった着工数の急激な落ち込み以来、それ以前の着工面積よりも1割程度下がったまま推移しているのです。
 つまり、昨年前半より全体としては1割前後の落ち込みから全く回復していないのです。
 この図は建築工事全体のものですが、住宅も着工面積で言うとやや似通っています。

 ガソリン高騰、鉄鋼資材の値上がり、諸物価値上げを迫られつつ、着工面積は伸びない。しかも今月確認申請を提出した件数は前年比11%程度も減っていたとか・・・・

 そりゃぁ。大変だ。

08-0701.gif

 家を建てると言う”客”は離しちゃなんねぇ・・なんて、変な業者のカモにならないように、くれぐれも気を付けましょうね。
 今は買い手有利の時期ですよ。ユメユメおだてられて、変な業者の口車にうかつにのらないように。。。。。

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2008年05月29日

馴れ合い体質

08-0530.jpg 昨日「船場吉兆」が廃業しましたね。
 期限偽装、産地偽装からあげくは、「使い回し」まで行っていた上での廃業ですから当然ですが、この事件の発端も「期限偽装」をパート従業員の責任にしようとした姑息な労務管理だったはずです。

 今の時代、社員を大事にしない企業は、その社員にしっぺ返しを食う時代になっているのでしょう。

 以前のブログ「もう一つの家」で鴻池という希有な商家でさえ、家を守るためにできのよい者でを選んで婿養子に迎えて商売を守った。という話を書きましたが、吉兆は、子供4人かわいさに、商家を分散する道を選んでしまいました。その一角が本人曰く「山から転げ落ちるように」没落していきました。

 そんなおり、1年ほど前に私が受け取った一本の電話のことを思い出しました。

 それは、違法建築を鑑定し、意見書として弁護士に提出し、弁護士から裁判所に提訴した直後の電話です。

「あんた、何で先に言ってくくれへんかったんや」
「さきに教えてくれたら、どうにでも出来たやないか」
「あんたも業界の人間やろ」
「あんな事書かれたら、ワシかて言いたいことがあるんや」


・・とまぁ、実際は関東の業者からで、このような関西弁ではありませんが、私がこの表現の方が書きやすいので関西弁を使っているだけですが、まぁ、こんな話です。

 この業者何が言いたいか。
 つまり、「ダメ工事なら、ダメ工事でいいが、それならそれで先にワシに情報をくれ。そうすればワシが施主にうまく話を付けることが出来たやないか。人の顔に泥を塗るな。同じ業界の人間やろ。うまくやろうぜ」という話です。

 私もいろいろな違法工事や欠陥工事の現場に立会、業者とも直接に是正工事の話をしたりしますが、ほとんどの業者は素直に違法性を認めて是正する場合がほとんどです。

 このように、ズルズルの業界馴れ合い体質丸出しの相手は珍しいのですが、やっぱりいるのですねぇ〜。この手の時代錯誤の人達が。。。

 これは業者ですが、設計者でもこんな人間がいました。
 私が施主さんに「これとこれは違法ですよ」と知らせると、後で設計者から電話がかかってきて、「あんた、それ先に教えてよ。同じ業界の人間やろ〜」とこれまた馬鹿な野郎からの電話がありました。設計者が違法かどうかすら知らなかったのです。。。

 いずれも、共通した特徴があって、例外なく、今の法律や施工技術についていけていない古〜い人達です。
 だからこそ、ナアナアの馴れ合い体質の中でなければ生きていけないのでしょう。
 

 船場吉兆も吉兆というブランドしか持っていなかった空虚な会社だったのでしょう。
 そして、私が受けた電話の業者も古い馴れ合いの中でしか生きられなかったのでしょう。
 ブランドにあぐらをかき、パートに責任を転嫁する。同じ業界だから仲良くしようぜ・・という馴れ合いが自分の首を絞めていることも知らずに。。。。

 そんなことを感じた吉兆の事件でした。

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2008年05月22日

大工さんの年収

 今日、何気なくネットをフラフラしていたら、「年収ラボ」というサイトにぶち当たりました。

 いろいろな年収が出ていましたが、いや〜ぁ。公務員の年収の良いことにびっくり。

・国家公務員   662万円
・地方公務員   728万円
・上場企業平均  589万円
・民間平均    435万円
なんですって・・・・・。

 その中で大工さんの年収がありました。
・大工さんの年収   392万円

 低いですね。。。
 暑い日も寒い日も、日々人の家のために働いている大工さんに感謝!!!

 そういえば、ある大工さんにお会いしたとき、釘の種類も変えないと単価がきつくてねぇ。。という話をされていましたが、多くの大工さんは受け取り(物件ごとの契約発注、材料込みなど)が多く、売り上げはそれなりにあっても、現場までの交通費から、道具代、釘代など出費も馬鹿になりません。
 特にガソリン代の高等は、まさに直撃しています。
 
 エアコンの風に当たれる営業マンや設計者、現場監督は毛散らかしていいですが、そんな大工さんの労苦に感謝!!

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2008年05月07日

作品・商品・物件

 とうとうゴールデンウィークも終わってしまいましたね。さて今週は、休み明けのボーッとした頭ではろくなテーマも浮かばないので、とりとめのない話を・・・・

 少し前、たまたま「住まいの雨仕舞い」というホンを本屋で見つけて、ふっと買ってしまい読んでいましたが、あまりに「なるほどなぁ〜」と感じ入ったので、そのまままご紹介しましょう。


・・・・・引用・・・・・
08-0507.jpg 住宅といっても呼び方はさまざまです。設計事務所・建築家は「作品」と呼びます。「作品」は設計を担当する建築家の主眼が全面に出過ぎ、主役であるはずの建築主がかすんでしまいます。
 住宅会社は「商品」と呼びます。不動産会社は「物件」と呼びます。「商品」も「物件」も品物であっても暖かみを感じない言葉です。
 一般の方は「家」と呼びます。

・・・・引用・・「住まいの雨仕舞い」著者玉水新吾・・・・・

 よく観察された言葉ですね。

 確かに建築家と言われる人達は例外なく「作品」と言っていますし、建築家に頼む人も「先生の作品を拝見して・・」とのたまっています。

 展示場に行けば、「弊社の商品は他社と比較して・・」なんて、これものたまっていますね。

 チラシを見ていけば、「当社の物件は・・・」と確かに説明していますね。

 そして、「ところで、ウチの家のプランと見積もりまだですか・・」とこれも建築主がのたまっています。

 みんな好き勝手な言い方をしているのが「住宅」なんですね。 この著者の意見では主役たる建築主がのけ者にされ、それぞれの業界が勝手にのたまっている・・・と言っているようにも聞こえますが、そうなんでしょう。

 ひねくれ者の私としては

 「私の作品じゃねえだろう。○○さまの家は・・だろ」
 「我が社の商品じゃねえだろ。○○さまの住まいにぴったりの仕様は・・だろ」
 「物件じゃねえだろう。○○さまのお住まいにはこちらの家がいかがでしょう・・だろ」


 『作品・商品・物件』・・あなたはどう感じますか???
 『安すけりゃ、どんな呼び方だっていいさ』と言うのは浪速の商人です。ハイ!!


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2008年01月30日

強度不足529棟

 昨日、兵庫県尼崎に本社があるファースト住建が、今まで建築・販売した建物のうち529棟で、強度不足の疑いがある・・というニュースが流れましたね。

 「またかぁ!!」という感想と、「この業界は泥沼か!!」という2つの感想が頭をよぎりました。

 ファースト住建とは、関東の一建設、アーネストワンと同じ系統の会社です。

 同社いわく、「外注先の建築事務所が不手際を起こした。社内検査体制に問題があった」と説明しているようですが、はっきり言って「大ウソ」でしょう。


■そもそも社会検査体制など無い 
 建物を売れば、設計や申請手続きは外部の設計事務所に丸投げし、工事は下請けを叩いてやらせ、現場監督は人件費の安い安い経験の無い若い人間を雇い入れ、徹底的なコストダウンで仕事をしています。

 とても、「社内検査体制」なんて言う立派なものは存在していない。
 まぁ。昔の議員が「秘書が・・秘書が・・」という逃げ口上や、吉兆の「アルバイトが勝手にやった」の弁明とまるで同じでしょう。

■確認申請の審査免除
 住まいの水先案内人のサイトでも説明していますが、木造2階建ての住宅では、耐震性などの構造強度は審査対象外です。
 図面に記載する必要もない。つまり、強度不足があろうと無かろうと誰も審査していないのです。このことが今回のような事件を生む背景にもなっています。


08-0130.jpg




 そして1年に1.2回、必ず起こる事件をご紹介しておきましょう。


■基礎伏図は企業秘密だ・・・事件

 基礎伏図が欲しいと申し出た建築主に対して、その会社は「基礎伏図は企業秘密だから渡せない」と返事を返しました。

 いまどき基礎伏図に企業秘密など存在しません。

 たぶん、今まで基礎伏図など書かなかったからそういったのか、あるいは無用な図面を渡すと後で食い違いをチクチクと指摘されても困るからそういったのでしょうが、「企業秘密」という呆れたウソを付く会社まで表れました。

 といっても、この手の嘘つき会社、私のサポートサービスでは、大体年に1回程度発生しています。



■壁量計算書は作っていない。作るなら有料だ・・事件
 

 壁量計算書とは、その建物の強度を計算した図面
ですが、上の審査免除となっている図面です。
 そのため、作っていない会社が非常に多いのですが、それを依頼すると上のような返事です。

 そういう返事を聞くと私は相手に叫びたくなります。

 「おいおいお前ら!2000万円以上の金を支払い、35年ローンを組んで買う家の強度を知るのに、さらに金を出さなきゃお前は説明出来ないのか・・」と、ね。。。

 この手の話は、年の十数件以上発生しています。ファースト住建も建物強度の説明などしたこともないし、するなら有料だ、というタイプの会社の一つでしょう。


■氷山の一角
 今回は、「この会社の建物は強度不足だ、という公的機関へのタレコミ」があったからケツに火がついて公表せざるを得なかったようです。
 それも上場企業という一定の体力と一定の信用度が必要な会社だったから出来ただけのことです。
 上場もしていない小さな会社なら、たとえ、強度不足が分かっても、例外なく「知らぬ存ぜぬ」のほっかむりを決め込んでいます。


 そんなこんなで、この業界は腐りきっているようです。

 はっきり言っておきましょう。

 建築士なんか信用するな!!

 設計者の顔も見せない建築会社なんか信用するな!!

 図面も渡さない建築会社なんか信用するな!!



・・・と過激な発言はここまでとして、賞味期限偽装事件を含め、今の時代、消費者は原点に戻れ・・ということなのです。


 『原点って何??』

 『それはねぇ。
 腐っているか、腐っていないかを自分でかぎ分けろ・・ということなの。』

 『ねぇ。ねぇ。それが分かるマニュアルある〜う・・・・・』

 『・・・・・!!』



 お後がよろしいようで、今日はおしまい。




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2007年11月07日

格差社会と住宅業界

 戦後から今日までの経済期を大きく分けると、高度成長期( 〜1985)とバブル期(1986〜1991)、それ以降(1992〜)の3つの時代に分けることができます。

 前回お話しした『JV、公共事業、談合』は、高度成長期( 〜1985)に中心となった仕組みです。
 この高度成長期には、護送船団方式と言われる政策が中心となり、誰もが等しく豊かさを求めた時代でした。そして、住宅を建てるときも今ほど、容易にお金を借りることが難しいため、住宅融資の6割程度を公庫融資に頼っていた時代でもありました。
 つまり、普通のサラリーマンが住宅を建てるなら、お金を借りるなら公庫を利用するしかない・・という時代だったのです。当然、業者も建物を建てるときは公庫仕様書を基準にして建物を建てていた時代です。

 長い高度成長の時代が終わり、バブルの時代(1986〜1991)に入ると、借り入れも容易になり、利殖性マンション投資などに代表されるように、誰でも簡単に家を持ち、あるいは建物自体を投資対象とできるほどの経済環境になっていったのです。その結果、公庫融資も下火になっていきました。

 今日(1992〜)。公庫融資を使っている人は住宅を建てる人の1割も満たないかもしれません。
 住宅を建てるときの業者にとっても指針であった公庫仕様書を見る人も少なくなっていきました。建て売り住宅の営業マンで、公庫融資の手続きを熟知している人も少なくなったでしょう。

      07-1107.jpg

 では、今の住宅の現場ではどうでしょうか。
 住宅の欠陥工事(違法工事)をした人たちが共通して言う言葉があります。それは、『公庫仕様書の通りにしてきたのに・・』という言葉です。公庫仕様書で建てているのだから悪いことはしていないと言う価値観です。
 でも実は、彼らの言っている公庫仕様書。彼らの見ていた公庫仕様書は、10年以上前の仕様なのですが、彼らにとっては誰も公庫仕様書と言わなくなり、特別に公庫仕様書をみる必要が無くなっても、記憶の中に公庫仕様書が残っているのです。

 つまり、誰もが公庫融資しか利用できなかった時代。誰もが公庫仕様書を基本に建てていた時代から、自由に行動できる時代に入った今日だからこそ、社会格差が広がってきたように、建築業者の品質格差も広がってきたのです。

 言い換えれば、より高度で良質な建物が建てられる業者がいる反面、無知から結果として欠陥住宅を作っているという両極端の格差が拡大しているのが現代社会なのです。
 一昨日ご紹介した、今週末予定している神奈川→新潟の打合せはすべて後者の後始末です


 護送船団方式で、一つの方向しかなく、一つの基準しか無かった時代は、誰も道を踏み外すことはありませんでした。しかし、自由に好きなことができる現代社会では、自立した自己をもつ会社と、10年以上も前の仕様を今も変わっていないと錯覚し、時代に遅れていく会社、という格差が生じ始めているのです。

 誰も見ていないのに法律を守ると言うことは、経済合理性に反することです。
 誰も見ていなければ手を抜いてしまえ。そう思っても不思議ではありません。
 だれも教えてくれないから、そんな法律があったことも知らなかった。
 でも、誰も教えてくれないのが現代社会です。
 格差社会では、自分が努力しなければ成果を得ることができない社会です。


 格差社会。
 それは、社会の様々なところに現れ、住宅業界ですら無縁では無いのです。

 昨日のNHKニュースにも「建築確認手続きの不徹底による住宅着工の急激な落ち込み」が取り上げられました。この事態はすでに産業界に暗い影を落とし始めています。住宅産業全体が、倒産や減収減益はされられない事態となっています。

     07-1107-2.jpg

 明日は、今日ご紹介した格差社会(格差のある業界構図)に、さらに今回の売上の激減というブレーキがかかった住宅業界、売上を確保しようとあえぐ業者の罠にはまらない心構えをお伝え致します。

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posted by WM.Hori at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) |  ┣住宅業界を考える

2007年11月06日

格差社会−JV、公共事業、談合

 住宅業界は、広い意味では建築業界ですが、実は建築業界と完全に異とする部分があります。

 それは、JV、公共事業、談合という3つの要素で、これらは住宅業界にはありません。しかし、これが無いことが欠陥住宅を生み出していく下地となっている側面があります。
 少し眠たくなる話ですが、ちょっと寄り道をしてどうしてそうなのかを詳しくみてみましょう。

 ■JV(ジョイントベンチャー)
 新聞でも昔はよくでていた言葉ですが、一社では出来ないような大規模な工事などを複数の企業が集まり、工事のための一時的な会社を作って受注し、工事をしていく仕組みで、工事が終われば解散します。
 JVのメリットは、いろいろな会社が参加するために、一つのJVという組織で仕事をしていく過程で、そこに参加した技術者の質が均質化されていくというメリットがあります。小さな会社などは、社員の技術レベルをあげたり、あるいは優れた品質監理技術を習得するために、むしろJVに入ることを喜とする場合もあります。
 つまり、他社の社員と一緒に仕事をすることで、参加する社員も、その社員を送り出した会社も、参加した全体の技術が磨かれ向上していくという副産物があったのです。

 ■公共工事
 世間ではよく思われていない公共工事も、特異な技術を別にすれば、設計と施工は完全に別々です。土木ではコンサルタント会社が図面を書き、建築では設計事務所が図面を書きます。
その図面に基づいて見積もりを出し、工事をします。
 同時に工事監理者も別にでますから、施工会社は文字通り工事だけで、ミスをすれば工事監理者から厳しく指摘されます。
 つまり、設計と施工が別々で、しかも工事監理者も他社がなっているのが一般的です。
 また、工事のチェックは国が発行している仕様書などを基準に行っています。住宅でいえば、すべての工事監理が公庫仕様書に基づいて行っているのと同じことなのです。
 住宅のように設計・施工がほとんどということは無いですし、公庫仕様書を完全に履行している、なんてこともないですから、品質基準は各社バラバラですね。

 ■談合
 まぁ、悪しき代名詞のようなものですが、これはこれで、地域の業者みんなが集まり、「おい。また法律が変わるようだな」といった情報交換の場でもありました。
 でも住宅の世界では、そのような情報交換の場などありません。

07-1106.jpg つまり、談合という情報交換の場が無く、公共工事のような設計と施工が別で、工事監理者が別につく、といったこともなく、あるいは全国共通の仕様書で仕事をしているのでもなく、JVのように社員の技術レベルが上がったり意見交換ができる場もありません。

 つまり、自社の技術や品質は、自社自らが気をつかなければならないし、低ければ上げようとする努力をしなければ誰もしてくれないのです。結局、情報収集も研鑽努力もすべてその企業次第なのです。

 そんなことをしなくても、営業活動だけを熱心に行い、建築主が喜ぶきれいなバンフレットと耳障りのいい社交辞令をふんだんに使い、競合すれば値段を下げれば仕事は受注出来てしまいます。

 以前、欠陥工事のほとんどは無知(知らなかった)からきているということを書いたことがありますが、その無知が欠陥工事を生んでしまうのです。

 自由競争はいいことです。談合がいいとは言えません。
 でも、その競争を繰り広げている会社だけでなく、その渦中にいる建築主の人も、その会社の真実を見つけ出す努力をしなければ良い会社に当たらない時代に入ってきているのかもしれません。

 格差社会といわれている現代。
 それは、実は「JV、公共事業、談合」の対極にあるものなのです。その格差社会が今、住宅業界全体で起こっています。


 明日は、引き続き、格差社会が生み出している住宅業界の現状をお伝えします。
 そのキーワードは『公庫仕様書』です。

posted by WM.Hori at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) |  ┣住宅業界を考える