2011年03月03日

私は通訳です!?

住宅トラブルや、そうでなくても会話がかみ合わない建築主と施工者・・という場面で私が時々使う言葉があります。

『私は通訳です』

11-0303.gifなぜかというと、およそ建築の分野ほど専門用語や慣用語が使われている業界は無いでしょうね。
たとえば、「土台(どだい)」という言葉はほとんどの人が知っている言葉ですが、「大引(おおびき)」や「根太(ねた)」という言葉に限っていえば、日常語になんか絶対に出てこない言葉です。
ですからその言葉を使われても、建築主の方は、よほど勉強していなければちんぷんかんぷん。

ところが、話が勢い込んでくると説明になれていない施工者は自分の領域にある言葉だけで説明をしようとする。ところが、聞いている建築主はそんな用語など聞いてもちんぷんかんぷん。

だからどちらかが「わかったふり」をして「その場を納めるか」
「わからない」といったまま、「かみ合わない会話を続けるか」

という場面になります。

そして困った建築主の方が私に相談される。

だから、『私は通訳』なのです。

とはいいつつ、

『あんた。もっと説明上手にしいや。聞いててもわからん』
『あんたはプロ。わたしゃ素人。素人にわかるように、かみ砕いて説明してんか』

ぐらいの肝っ玉母さん的度胸、こういう突撃的コミュニケーションも時には必要なんです〜。

お上品ぶっていて得になることは、住宅業界ではありませんよ。
知ったかぶりをして得になることも、住宅業界ではありません。


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2010年10月12日

この人に騙されればあきらめます−2

【お知らせ】10/20〜10/22の期間、このブログは閲覧できません。
ブログサーバーのメンテナンスのため、上記期間は、閲覧が出来なくなりますので、ご承知おきください



さて、前回の続きです。

この方、注文住宅だったので、土地からの建築条件付きの建物とは異なり、少し時間の余裕がとれたのだと思いますが、約10社の住宅会社と交渉を持たれました。

誰でも知っている、いわゆる大手ハウスメーカー系が5社。

そして、地場の住宅会社、工務店が5社
という内訳だったそうです。

この当たりのバランスもいいですね。
工法も軸組系、2X4系、木質パネルのいずれも入っています。

そして、10社というのも世間平均からすれば多いのではないでしょうか。
普通は、早く決めたい・・という夢の実現への期待感の方が高く、焦ったり、いらいらしたりして、ハウスメーカーと交渉する数はもっと少ないのではないでしょうか。

あるいは、

いろいろな資料を読みつづけるなかで、、誰にも相談せずに資料や情報だけで、最初に工法を決めてしまう人も多いと思いますが、この方は広くいろいろな工法の特徴を、それそれの営業マンの人から直接聞いたのかも知れません。

10-1012.jpgそして、これら10社の中から決めたのは、社員数100人ほどの地場の住宅会社でした。

この会社に決めた理由は
「会社の近くに建築現場がありましたので、時折拝見いたしましたが整理整頓がされており好感が持てました。」

そして、決まった後も
「お断りした会社さまも「いい家を建てて下さいね」とか「他を断るのは大変かもしれないので頑張って下さい」とかの言葉を頂き申し訳なく感じると
共に住宅業界はネットのイメージと異なり良いなと実感いたしました。

その中でもこの会社の営業マンや施工者は格別でした。
基礎の見学会で質問に答えて頂いた大工さん(?)が、道ですれ違った際に笑顔で会釈し名前を呼んでもらったこと、営業さんが弊社は、三井ホームに育てて頂いたと感謝の念を持っていたことや、他工法や他社批判が無くフラットな説明であることが印象的でした。」


と私へのメールに書かれています。

このメールの中で、実は私も感心したことがあります。
そして、それが、このブログでご紹介する私自身の動機となったのですが、それは、三井ホームのこと。

さて、何を感心したのか・・・、次回に続きます。

■補足
普通、このブログでも、サイトでも固有名詞はいろいろな差しさわりがあるために書かないのですが、今回は、この名前を書くことがこの話の説明に非常に重要な要素となる部分なので、あえて書かさせていただいています。(その理由は次回ご覧いただくとわかると思います)



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2010年09月10日

メールが証拠。

あまりの残暑で、ついついエアコンの話を1週間も続けてしまいましたが、そのまえの8/31「建物は付け足し、と考える営業マン」というタイトルで話を進め、最後に、
「そうはいっても、いい加減な営業マンは始末に悪いです。
次回は、そういうボンクラ営業マンを、最後にギャフンと言わせる方法です。」
と書いて尻切れトンボになってしまいました。

「ギャフン」というほど大げさな話ではないのですが、この話の締めをしておきます。

最近はほとんどの方が、何らかの形でメールで住宅会社の人とやりとりをする場合が多いですね。
特に営業マンや設計者はメールを使っている率が高く、現場監督はやや少なくないと思います。
また、特に、このようなブログを見られるいる方はなおさら、その頻度(打ち合わせでのメール利用)が高いのではないでしょうか。


10-0910.jpgいい加減な営業マン。
言うことが無責任で、口から出任せ・・まではいかないですが、要は自分の言葉に無責任です。

そんな相手でも、打ち合わせの簡単な記録をメールで送りつけておくだけで、ある時期には効果を発揮することがよくあります。

「いい加減営業氏」は、そもそもルーズですから、証拠に残るような議事録等というものを作成しようとはしませんし、書いたとしても、書く癖を付けていませんから、ほとんど意味のないことしか残りません。。

そんなとき、
○/○、営業・□□氏と打ち合わせ
・○○を使うことに決定
・標準で○○有り

といった打ち合わせの内容を、出来れば早いうちに、簡単な箇条書きにしてメールで相手に送りつけておきます。
まぁ。それに返信するマメな「いい加減営業氏」はいません。

メールを見ても、「わざわざ議事録を送ってきて、マメな買い主やなぁ」で終わりです。

でも、そういうメールの積み重ねが、たとえば当初○○は、標準仕様で入っていると説明していたのに、あとで「追加です」なんて言われ、「えっ。最初の説明と違うやん」と言うときに効果を発揮します。

使い方はもう、おわかりですね。

自分の身は自分で守れ。
自分だけの議事録を作っておくのではなく、相手にも送りつけておく。送りつけて相手から返事がなければ、相手は同意したのと同じです。


また、この方法のもう一つのメリットは、相手に「この人はマメに記録している。いい加減なことは言えない」という緊張感も与えることが出来ます。

そして、相手が「いやいや。それはそれ。これはこれ」なんてごまかそうとしても、「自分の言ったことを翻すような人は信用できない」といえば、メールを送られている以上、「メールなど見てもいません」なんて白々しい返事も出来なくなります。

少しでも、「どうもいい加減やなぁ」と感じたり、「だいじょうぶかいな。この営業マン(あるいは設計者)」と感じたときは、箇条書きで書いたメールの証拠が威力を発揮する場面が多いのです。

日本は島国です。これはいい面と悪い面があり、アメリカのような人種のルツボでもなく、大陸国家のように、いつも隣国が接して歴史的に紛争がくりかえされるという土地柄ではありません。
同族民族という一種の安心感からか、あるいは村社会という歴史的な背景からか、契約や係争といったものに未熟な国民性です。

そのために
・裏切られることに慣れていないし、
・その対処も知らない。
・どちらかというと、善意に満ちあふれた前提で物事を考えます。


メールって、一方通行でも、使い方によっては意外と使えるんですよ。

もっとも、売り手も、買い手もどちらもルーズな取り合わせでは、かえってトラブルは起こらないのかも知れませんが。

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2010年08月16日

避けられないミス。避けられるミス。

住宅はいろいろな業者が入り交じり、工事のほとんどは人間の手作業で取り付けられていきます。その中には、人間がやっていますから、たまに失敗も起こりますね。
でも、「監督さんって何のためにいるのって感じてます」なんて、とってもだらしない現場監督のためにイライラが募ると言うことも多く見られます。

前者は、人間である以上、ある一定の頻度で発生する人間であるが故の避けられないミス。誰だってうっかりミスは起こりますからね。
後者は、下請け丸投げ、自らの仕事もせずに発生する避けられるトラブル。これをミスとは言いませんが・・・。

現場で発生するトラブルは、このどちらかです。

10-0816.gif
右の写真は、土台の継ぎ手が逆になっています。
下のイラストのように、上から力か加われば、左側の土台はあっさりと下に落ちてしまいます。本来は下のイラストのようにするべきところです。
この場面、現場監督ではなく、建築主が気づいたのですが、さて・・。
これは、人間だから生じたやむを得ないミスですか。
それとも下請け丸投げ、放置したことによるトラブル。
どちらなんでしょうか。
写真だけではわかりませんね。

でも、どちらであるかは、今までの態度と、このときの対応で簡単にわかりますよ。

■やむを得ないミスの場合(うっかりミス)
前者の場合、今までにミスは発生していません。キチンと管理していて、たまたまのうっかりミスが今回なのですから。そして、対応も、自分の非を認めるなどキチンとしたものでしょうし、対処の方法もキチンと説明されるでしょう。

■放置したことによるトラブル、避けられたトラブルの場合
後者の場合は、このような問題が生じるまでに、いろいろな小さな問題が発生しています。
そして、問題が発生してからの対処も「ごまかそう」とする姿勢がありありです。

昨日、匿名でご相談メールをいただき、そのご返事をしたところ、次のようにメールをいただきました。(上の写真とは関係ありません)
『気流止めの件、相談させて頂いた者です。
お忙しいなか、早速のお返事ありがとうございました。
こんなに早くにお返事をいただけるとは思いませんでした。
確かに、ご指摘の通り感情的になってしまっているところがありました。
というか現在もあります・・・。
実は、これまでにもいろいろとあり、監督さんって何のためにいるのって感じてます。』



人間が犯すトラブルは上のように2つの種類があります。

前者は寛容に・・。
後者は、「いい加減な仕事をするなら、金は支払わない」というぐらい強い態度を示すことが必要ですよ。

だってね。後者の場合言ってわかる相手ではありません。
なにしろ、仕事を嘗めているのですから

嘗める:なめるとは相手やある物事を馬鹿にしたり、みくびったり、軽んじる、蔑むといった行為

そして、建築主の方も後者相手に、啖呵が切れるぐらいの強い気持ちを持っておくことも必要なんですよ。

盆明けそうそう、またまた辛口ブログでした。


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2010年07月15日

同意してあげる

うるさい営業マンも、相手の立場を考えればある面で仕方のないところですね。
かといって、そうそう相手の都合のよいようにおつきあいなどしていたらおちおち検討も出来ない。

この問題。面と向かって、『敵対的』に考えるから疲れるのかも知れませんよ。別の言い方をすれば、『はねつけようとする』から。

だったら、自分の懐に入れてしまえばどうなのでしょうか。

「いや〜ぁ。いつもいつもお疲れ様です。契約を取ってくるのが仕事ですから、そのお気持ちよくわかりますよ」

「私があなたの立場の営業マンだったら、上司から早く契約を取ってこい・・なんて言われたらいやですもんねぇ」

「うん。うん。よくわかります」

「でもねぇ。私には私の立場の事情があるんですよ」

「一生おつきあいしなければならない住宅ローンも考えなきゃならないし」

「それに私、そんなに度胸が良くないですから」

「ごめんなさいね。もうちょっと待ってね。なかなか決める勇気がもてなくてねぇ。」


10-0715.gif@相手の立場に理解を示し、同意してあげる。
A住宅ローンなど、抱える背景を説明する。
B私は臆病だと謙遜する。


まぁ、柔道で言えば、背負い投げはかっこいいけれど誰でも出来るものではない。相手が来たところをサラッと身をかわす。その交わし方ですね。この話は・・・。
それには、「断らねば」「また迫ってきた」という堅い堅い姿勢よりも、柔道で言う柔らかい姿勢がいいかも。「真っ向から組み合うな」ということです。

そしてなにより、交渉術に関しては、相手は一枚も二枚もあなたより上です。その場慣れの数は、あなたがどんなに逆立ちしても追いつくことは不可能です。だったら、謙遜が一番の防御姿勢・・かも。


一度お試しあれ。
注:同じ相手にそんなに何回も使えるものではありません。
  効果的なタイミングでどうぞ。


明日はもう少し違う場面での説明です。
もっと厚かましい営業マンがいます。間取り1枚作ったから契約しろと迫る営業マンへの対処法です。

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2009年12月04日

本音は、時間とお金

 今までいろんな攻め方をご紹介しました。
 ・時間で追い詰める
 ・欲でくすぐる
 ・知識不足を利用する
 ・権威を利用する
 ・性格を見る

 でも人間は正直なもので、よほどの天才的詐欺師でもない限り、本心が現れる部分があります。

          09-1204-2.jpg

 それが「時間」と「お金」でね。

 ・契約を急がせる
 ・お金を曖昧にする


 そして、いつもこの2つはセットです。
 『早く契約を・・細かな内容は後でいくらでも変更出来ます』
というのがその人たちの決まったフレーズですが、時間を急かし、金額を曖昧にする手口。建売系住宅の営業で多く行われています。

・あの人は時間にはルーズですが、信用出来る人ですよ。
・あの人はお金にはルーズですが、信用出来る人ですよ。

と言う言葉は、ほとんど聞いたことがないと思いますが、『時間』にいい加減な人。『お金』にいい加減な人は、何事にもいい加減であると見た方が良いでしょうね。そしてこの2つが合わされば、まさに危険到来。

 『時間』を急かされる。『お金』が曖昧。と感じたら、腰を据えて相手の良いなりにならない姿勢が大事になってきます。反対語は、『時間をかけて納得をする』『しっかりお金を見極める』ではないでしょうか。


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2009年12月03日

性格と攻め方

 世の中には、いろいろな性格分析の本が売られています。血液型、十二支、星座といった占い系から始まり、ユング・クレッチマーに代表される心理学、はたまた人相学、色彩心理学、仕草表情と言った外観判断等々、巷では人間の判断術が溢れています。
 それだけ、仕事でも、仲間同士の付き合いでも人間関係に悩んでいる人が多いのでしょうし、そういうものの助けを借りて人間関係を円滑にしていきたいと考えていることの表れでしょう。

 営業マンであれば、必ず一度は心理学なり、そういった分野の本を読んでいるのでしょうね。

 ところが、そういう本を読んでも、大体読んでいる本人が、一体自分の性格はどれだろうと悩んでしまうこともよくあります。自分で自分の性格がよく分からないのですから、いわんや、人の行動・態度を見て、そう簡単に人の性格が分かればこれほど楽なことはありませんが、世の中そう簡単ではありません。

 だれもが人との関係においてポーズを作ったり、フリをしているからです。こう見て欲しい、こう見せかけたい、といった心理も働きます。

               09-1204.jpg

 今日はもっとも簡単なクレッチマーの性格分析をご紹介。3つのタイプしかありません。

■知能系
・社交べた、神経質で鈍感、きまじめで頑固、懐疑的
・このタイプひとは、まじめであるだけに冗談を言ったり軽々しい態度は嫌悪感を表すので、真っ正面から誠実な態度で臨み、一つ一つキチンと理論的な正攻法の説明を行うといったステップが大事。

■感情系
・社交的で快活、好奇心が強い、おしゃべり、活動的
・このタイプは明るく陽気にリズミカルに話すこと。新しい情報の提供などが喜ばれる。ただし、ちゃらんぽらんな部分もあるのでアポイントをすっかり忘れてしまうこともある。ハッタリ屋も多い。

■本能系
・考えが固定的、融通が利かない、理解が遅く、話が回りくどい。
・このタイプは初対面の感じが大切で、話し方はYES話法が良い。会話の中でNOという否定後を使ったり、何となく反対を匂わせる話し方をしただけで自分かが非難された気になり、急に激情する。

 私もいろんな人と接していますが、早々こんな物を見て仕事をしているわけではありませんので念のため。まして、人間の性格は複雑怪奇ですから、あまり勝手な枠にはめない方が良いでしょうね。

 でも、あなたの相手は、こういう事もチェックしながら、「フムフム。このタイプの人だから、こう責めていこう」なんて考えながらあなたと対峙しているかも知れませんよ。。
 なぜなら、自分に合った方法で会話が進むと心地よく、相手を信頼していきます。その反対に自分に合わない方法でアプローチされても会話は弾みません。如何にスムーズに話を進行させていくか・・その人に応じた方法でアプローチするのは交渉の初歩の初歩だからですね。



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2009年12月01日

権威を利用する

 交渉術で「知識不足を利用する」ケースと似ているものに「権威を利用する」という方法があります。

 ・「これは国が保証していますから安心です」といってある権威を利用して安心感を植えつける。
 ・「私は○○支店長をよく知っているので。」といった手口で権威者の名前を口にして安心させる。 

 と言ったように、権威ある団体や個人の名前を口にして安心させる手口です。
 住宅の現場でも多く用いられています。
 住宅現場で用いられる定番中の定番の2つのフレーズをご紹介しておきましょう。

■建築確認を通っていますから。
 建築確認が通っていれば(=お役所が見ているのだから)全部見てくれているのだ、と錯覚してしまいますが、そうではありません。耐震や断熱に関しては何もチェックしていませんが、役所がチェックすると言うだけて信じてしまいます。これも役所、お上という権威を利用した説明です。
(注:3階建てでは構造の審査はしています)

■検査があります。
 どの程度の検査がされるのかは全く関係なく、「検査」という言葉だけに反応して、「きっとキチンと見てくれているのだ」と勝手な解釈で納得してしまいます。上の例と同じほどよく聞く説明です。

               09-1201.jpg

 工事が心配なので工事監理がキチンと出来ているのか問い合わせたところ、こんな返事を頂いた方がいました

「検査につきましては、現在、○○市建築指導課のご担当者、並びに弊社の工事監督、以下関係者各位立会のもと国土交通省の指導監督に準じまして行われます。この中に各種構造上の工事が適切に行われているかの確認も当然ながらございますので、ご安心下さい。また、上記検査ににおきましても不合格にならないように適切な管理の下、工事関係につきましては遂行しておりますのでご安心下さい。」

 権威を羅列し、適切な、といったお役所用語を振りかけた、まるで国会答弁のような返事だったので、思わず笑ってしまいましたが、このような権威を利用した説明が非常に多いのが住宅業界です。

 権威を利用する・・言い換えれば権威を利用しなければ満足に説明出来ない、と考えた方が良いでしょう。
 でもねぇ。日本人は権威にとっても弱い国民性を持っています。権威を振りかざされると、ついつい頭を下げて安心してしまいます。それは江戸時代から積み重ねられたある時代背景が原因のようなのですが、そのお話しは別の日にでも。。


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2009年11月27日

・・続、それぞれの事情

 昨日のブログに 一通のコメントをいただきましたので、今日は住宅会社がよく言う
「性能表示制度?そんなのするだけムダですよ。」
「断熱材の厚みを増す?そんなのこの地域でこれで十分。やっても費用の無駄遣いですよ」

というその本音をもう少し掘り下げてみたいと思います。

 なぜこんな事を言うのか。
 この原因の多くは、「経験があるか。ないか」の違いです。


               09-1127.jpg
■それでお客様が納得されるなら・・【お客様思考】
 性能表示制度の申請や手続きを経験したりして対応が分かっている会社にとっては、「性能表示を使ってお客様が納得されるなら、それはそれでよい。どっちみち手続き費用や申請費用の20万円前後は、お客さまが負担されるのだし、自社の負担になるわけではない」という理由から、性能表示に対しても抵抗感をしめすことはあまりありません。

■ドタバタ劇は見せたくない・・【自分中心思考】
 ところが、これが性能表示制度を一度も経験していなかったり、昔一度だけ渋々やったことはあるが、始めてだったので大変時間がかかった・・といった苦い経験があると、ついつい二の足を踏んでしまいます。
 自分たちがやったことが無いのですから、どの程度の時間で出来るとも、どの程度の費用で出来るとも確証が持てない。確証が持てないことは、「え〜い。面倒だ!!」「そんな事をしても費用はムダだ〜」と言ってしまえ。。。となってしまうんですね。

■不利な事情は見せたくない・・【自己防衛思考】
 だって、「弊社は性能表示はしたことがありません。チョット手間取ってお見苦しいところをお見せするかも知れませんが、それでもよろしいでしょうか」なんて、さぁ、これから契約していこうかと考えている顧客で言えますか??
 という辺りが、否定的な話をする最たる理由でしょうね。

               09-1127.jpg


■知らない。興味ない。
 さて、もう一つの「断熱材の厚み変更なんか不要」と返事するのほとんどは、「断熱材を厚くしたら快適だった・・」という成功体験が全くない。と言うことに尽きるでしょう。あるいは「断熱・省エネ」というものに全く興味がない。といったタイプの人かも知れません。

■選択肢を与えられる経験者【お客様思考】
 これが、高断熱・高気密も手がけている住宅会社なら、今までのお客様の住み心地などをもとに、普通の断熱性能の住まいと高断熱・高気密の住宅の住まいの違いを実例を添えて説明出来ますね。そして、後はどちらを選ぶかはお客様次第ですよと言えます。

■自分が知らないから断定する未経験者【自己防衛思考】
 ところが、高断熱・高気密の住宅の経験がなければ、説明も出来ません。それならいっそのこと、「この地域ではこれで十分です」と言い切ってしまった方が自分が楽ですね。「高断熱・高気密の住宅ってどんなものか知らないんです」なんていえませんし、ね。


               09-1127.jpg


 もう一つ完成保証制度も同様です。

 完成保証制度に加入している会社であれば、「はい。弊社は完成保証に加入していますから、どうぞ」と案内出来ますし、完成保証の保険料を支払うのは注文者ですから、住宅会社の腹は痛みません。
 ところが、完成保証に入っていない会社は次のように考えます。

■ウチは倒産しないよ。
 自分の会社が、この人の工事中に倒産するかどうかぐらいは経営者なら予測がつきます。「倒産しないんだから、そんなの入ってもお金のムダだよ」と考えます。そのこと自体は良いのですが、誰もその会社の経営状態を正確に知ることなど不可能です。

■急に入れない【自社都合】
 もう一つ否定的になる理由は、完成保証には急に入れないと言う事情があります。経営状態もチェックされますし、経営状態が不安定であればそもそも入れません。また、仮に入ったとしても加盟金や年会費が必要になります。だから、「そんなものは費用のムダだ」という言葉で片づけてしまった方が説明が楽ですね。
 「弊社は、経営が不安定なので、審査が通るかどうか分かりません」とはとてもいえませんし、そうでなくても、「審査が通っても年会費的なものが毎年必要ですし、最初には加盟金も必要です。あなたの建物の完成保証保険料だけでなく、最初の加盟金も支払って頂けますか」なんて顧客には説明出来ませんし、ね。

「え〜い。完成保証なんか費用のムダだ〜」と説明してしまえ!!


 さて、言葉の裏には、それぞれの【事情】があるんですね。


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2009年11月26日

知識不足を利用される、利用する

 飛び込んできた客をつかんで離さない。と書けば怖い話ですが、どんな営業マンであれ、その客がよほどタチの悪い相手でもない限りなんとか成約させたいと思うのは、「狩猟本能」をもった営業マンの本能でしょう。

 そのとき、客の知識不足を突くテクニックがあります。

09-1126.gif ある金融商品を売りつけようとすると、まず自信たっぷりにその商品のすばらしさを説明し、あたかもその商品の専門家であるようなアピールを始めます。
 いろいろ説明された方は、自分に知識が無いだけに半信半疑ながらも最後には納得してしまいます。それは相手の持っている堂々とした態度や物腰から知らず知らずのうちに納得してしまうのです。

 ・・と、まぁ、これは詐欺師のテクニックらしいですが、金融商品、投機商品でも似たような手口が使われますね。

 さらにそのとき、

 「すでにご存じだと思いますが・・・」
 「私が説明するには及ばないと思いますが・・」

 という枕言葉を前に挟むと、実は相手に質問しにくくなってしまうのです。
 この2つの言葉は、「そんなこと誰でも知っていて当たり前でしょ」という意味と同時に、「私が説明するまでもないほど賢明なあなたはよくご存じでしょ」とプライドもくすぐり、こういわれて「私はそんなこと知りません」とはなかなか言いにくくなってしまいます。こしゃくな反論封じのひと言です。




 でも住宅の場合は、あまりこういった場面は少なく、あるフレーズから逆に相手が知識不足だということを露呈する場合があります。

 ■『大丈夫です』
 どんな理由で大丈夫なのか説明無しにとにかくひと言「大丈夫です。」
ボキャブラリーの極めて少ない営業マン、現場監督に多い言葉です。とにかく自分では説明出来ないから、「とにかく理由はわかんねえけど今までこれで大丈夫だったんだよ〜。うるせえこと聞かないでくれよ〜」という本音が隠されています。住宅の現場で大変よく聞くフレーズです。

 ■『費用のムダですよ』
 これも多いです。
 「性能表示制度?そんなのするだけムダですよ。」
 「断熱材の厚みを増す?そんなのこの地域でこれで十分。やっても費用の無駄遣いですよ」
 「建築確認通っているんだから耐震性は問題ないです」

 これ。最も多い3大否定句なんですが、自分に知識が全くない話をこれ以上進めさせないためには、「費用がムダだ」という相手の金銭感覚に訴えるのが一番と思っている無知識営業マン、設計者がわんさといます。(注:最後の建築確認・・という説明は権威を利用した口説きのテクニックです。このお話は次次回に)
 「うるさいこと言わないでくれよ〜。おらぁそんな知識ねえよぉ。うるさいこと言わずにさっさと契約してくれよ〜」という本音が隠されています。


 あなたがこの言葉を聞いたら、『フフ〜ン。相手に知識はないんだ。邪魔臭がっているんだ』と考えると良いでしょうね。


 明日は、あこがれのまなざし−共感を武器に契約に持ち込む方法をご紹介致します。




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2009年11月24日

競わず争わずだから、交渉は経験不足

 先週の続きです。

・フット・イン・ザ・ドア法(段階的要請法)
 簡単なことから頼んで、だんだん要求を重くしていく。
・ドア・イン・ザ・フェンス法(譲歩的要請法)
 とても引き分けないであろう要求から始めて、次第に負担を軽くしていき要請を飲ませる。
・ロウ・ボール法(承諾先取要請法)
 客が飛びついてくるような非常に魅力的な条件を提示する。様々なオブションや特典も付いている。そこで客が買おうと、少しでも意欲を見せようものなら、すぐに契約書を作ってしまう。
 そして、実際の商品を渡すときには、オブションを取り払い、特典もうやむやにして引き渡す。(悪徳商法の手口だそうです・・・)

 ご紹介した3つの方法。○○法と書いていますから、学問とまでは言わなくても、体系化された営業テクニックの一つなんでしょうね。たぶんアメリカで開発され、まとめられたものが日本に入ってきたのでしょう。(それにしても野暮ったい日本語ネーミングですね)

 さて、

09-1124.gif 今住宅を買おうとしている人達は、団塊の世代は別にして、「ゆとり教育」云々に始まり、ほとんどが「競争」や「争い」を知らない世代です。「競争」や「争い」を避けるように仕組まれた教育を受けた世代といえるかも知れません。そのために、「交渉」という経験を積む場面も限られていますし、社会に出ればほとんどの買い物は「交渉」を必要としていませんね。自動車を買う。海外旅行に行く。結婚式をする。多額な費用が必要な買い物でも、本当の意味の「交渉力」が必要な場面はほとんどありません。「選択」はしても「交渉」はしていないのです。

 そして、私たちが住宅を手に入れるときに、その感覚で一生懸命バンフレットを見ています。でも、不動産や住宅会社の営業マンたちは、一通りの営業テクニックを勉強しつつ、その中には住宅の商品知識よりは、客を落とすテクニックに磨きをかけている営業マンがいることも事実ですね。(このような営業マンは不動産業界に特に多いですが・・)

 また、ある限度を超えてしまうと悪徳リフォーム会社の営業マンのように、客を不安がらせて一気に契約に持ち込んでしまい、とても「競わず、争わず」を信条とした人達には太刀打ち出来ないテクニックを習得してしまうようになります。

 私の行っているサポートサービスでも、「どう交渉すればいいですか」という素朴なご質問をいただくことが多くなりました。それはたぶん、今述べてきたように、「交渉」というものの経験が少ない、「競わず、争わず」の教育を受けてきた影響ではないかと思っています。


 Amazon.comで「営業力」と打ち込めば
・営業力―「顧客の心」に処する技術と心得
・営業の魔法―この魔法を手にした者は必ず成功する
・御社の営業力が躍進する75の処方箋
・できる人の「営業力」72の奥義
・渉力のススメ−敵を味方にする方法
・電話営業力

・・とまぁいろいろ、これを読むだけで営業テクニックが身に付きそうなすごいタイトルの本が目白押しです。


 さて、これを読んで、ツメを研いでおかなくっちゃ!!・・と考えているのかいないのか。営業マンの胸の内までは分かりませんが、巷には、いろいろな営業・交渉術を増すテクニック本が溢れていることは事実です。




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2009年11月20日

欲をくすぐる

 人間にはいろいろな『欲』を持っています。

 金銭欲、名誉欲、性欲、物欲といったものから、所有欲、優越欲、模倣欲、自愛欲、知識欲、特別視欲、付加欲、・自己実現欲等々様々です。
 私はこんなもの一切ありません・・・なんて言う仙人のような人はいないでしょう。その大小はあれ、何らかの『欲』を持っていますね。

 さて

09-1120.jpg★仲間はずれになりたくない模倣欲と所有欲
 「多くの方がこれをお選び頂いていますよ。」と言う言葉に弱いです。
 よく似たものに所有欲があります。あまり欲しくないと思っていても誰もが揃えているからという理由で人が持っているものは自分も持っていなくてはという心理が働きます。

★目立ちたがりの優越欲
「よく引き立ちますね。他では見られません。グッドアイデアです」とおだてておけば良い相手です。

★特別視して欲しい
 「お客様だけの特別ご奉仕です」
 まぁ、誰彼無しにこんな文句をいったとしても、聞いている方は私だけと思いこんでしまいます。

★私の知識は高いのだ 
 「さすがお眼鏡が高いですね」と優越意識とプライドをくすぐります。持ち上げておきさえすれば良い相手です。間違ってもあなたの知識は古いです、なんて言おうものなら、その商談はお流れ。相手の知識に逆らわないのが一番。間違っていてもね。。。

★おまけが欲しい付加欲
 おまけ大好きな人がいます。
 「せっかくなので、これとこれはサービスさせて頂きます」
 これも最初から無料配布予定品であっても、こういわれれば得した気分になってしまいます。これに先ほどの「お客様だけには・・」のフレーズを付け加えれば、このタイプの人にはもう言うこと無し。


 まぁ簡単に言うと、人間の本来持っている「欲」をおだてる。
 猿もおだてりゃ木に登る・・・の例え通り、相手のある部分をクチュクチュくすぐってやれば良いのです。そして人間おだてられているときは、良い顔をしていますから、さらにくすぐってやれば落ちるのは間違いなし・・・なんてね。

 そして、「見栄」「虚栄心」をくすぐるのも大事なツボ。

 なかなか自律心のある強固な意志を持たない限り、自分の潜在的な「欲」から抜け出すことは難しいですね。『あぁ〜ぁ。また、買っちゃった』となってしまうのが人間ですから。

 なかなかこの手のテクニックに対抗出来る手段はありません。
 カスミを食べられるようになれば対抗出来るのでしょうけど。。




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2009年11月19日

時間で追い詰める

 時間は人間に与えられたもっとも公平な資源とも言えますね。
 誰にも公平に365日。24時間が与えられています。
 時間を有効に使うか、使わないかで仕事はもちろんのこと、人生だって変わるのが時間の使い方です。

 でもまぁ。そんなこと辛気くさいことをいちいち考えて誰も過ごしていませんね。でも、時間は使い方によっては大きな大きな武器になることがありますし、時間の壁に負けてしまうこともあります。

■売り手側の『時間で追い詰める』
09-1119.jpg 住宅の現場に限らず、「時間で追い詰める」「時間で追い詰められる」
 時間を使うのは、バーゲンに期限があるように昔からの古典的な営業テクニックの一つです。

 「今でないとチャンスを失います」
 「今買えば安いけれども、2.3日立つとどうなるか分かりません」
 「今日が最後のチャンスです」
 「もう一人ぜひ欲しいという方がいます」
 「このお値引きは今回限りです」



■こちらが『時間で追い詰められる』−その1
 もう一つは、買い手側が自分で時間を設定してしまったがために、自分で自分の首を絞めるように時間に追い詰められることがあります。

 「子供の入学があるから、どうしても3月には入居したい」
 「ローン減税を受けるために、年末入居が絶対だ」

といったいわば契約前に入居の予定を決めて行動するのは多くの方が行っていることですが、でも予定がずれていくと契約を焦り、中途半端な打合せのままに契約してしまうことも起こります。

■こちらが『時間で追い詰められる』−その2
09-1119.gif 住宅のトラブルで多いのですが、大体工事のトラブルが発覚するのは工事の中盤以降が多いです。「変だ〜。変だ〜。」と思いながらでも半信半疑、不安を変えながら工事を見守っていたが、やっぱり工事がおかしい。そして専門家に見てもらうと大きな問題が発覚。ところが、すでに今借りているアパートには、解約を申し出ている。再び、解約を取り消して住むことも可能だが、この問題の解決にどのぐらいの時間がかかるか分からない。
・・と中途半端な状態のまま時間だけが過ぎていく、と言うことも住宅トラブルの場合には起こります。そして、曖昧な解決でお茶を濁す。あるいは不利な解決でも入居を優先させると言った判断を狂わせる要素にもなるのが時間です。

 前者は、
相手が設定した時間に買い手が追い詰められる状態』。
そして、後者の2つは、
自分が設定して時間に自分が追い詰められる状態』です。

 このような見ていくと、『時間』というものは、先に仕掛ける方が勝ち。

 ・バーゲンは相手が仕掛けるものです。
 ・決算値引きといったタイムリミットのある仕掛けは相手が仕掛けます。

■時間に打ち勝つ方法
 でもそんな時間を使ったテクニックに唯一勝てる方法があります。
 それは、こちらが『時間』を相手にしないこと。


 「御社は決算値引きだと言ってもねぇ。まだまた予算に合わない。まぁ、時間をかけて御社より安い会社を探しますよ」と言われてしまえば、決算値引きというタイムサービスなんて形無しですね。

 「こんないい加減な工事どうしてくれるんですか。御社への支払は全て完成してから。もちろん遅延金も支払から差し引かせて頂きます。私は賃貸で我慢ですが、御社がその負担をするのですから、ごゆっくりどうぞ」と支払と遅延損害金を手玉にとって支払という武器を使えば、時間はこちらに味方してくれます。

 まさに時間は使いよう。時間に追われるな。といった言葉は、どんな場面でも通用する言葉のような気がします。
 そして、相手が『時間』という武器を使っているときは、こちらがその武器に乗せられてはダメ・・と言うことですね。


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