2016年06月21日

耐震等級2の住宅が倒壊


・・というニュースが、軽い衝撃となって住宅業界を走ったことでしょう。
熊本地震で震度7を2回襲った熊本県益城町の住宅です。
日経ホームビルダーという業界紙の説明によると、この建物は長期優良住宅の取得のために、耐震等級2の建物としたそうです。

ではなぜ倒壊したのか。
それは、単に震度7の地震が2回きただけの単純な理由では無かったようなのです。

★原因1・・耐震性の低減
この地域は地震が少ないという地域として、地震係数を低減できました。
本来耐震等級2の場合は、建築基準法の1.25倍の地震に耐えられなければならないのが、熊本の場合は「0.9」低減できるので「0.9」をかけて、実質1.12倍として計算していたのです。
まぁ、これでは実質、耐震等級2では無く、いわば等級1.5です。

★原因2・・地盤主因説
この建物の地盤は10m程度まで軟弱な地盤が続く軟弱な層でした。
地盤補強として鋼管杭を施工していました。
そもそも軟弱地盤は地震を増幅させると以前から言われています。
たとえば、よそが震度6でも、軟弱地盤は震度6強程度に増幅され、反対に堅地盤では震度5強程度に弱くなるといった現象です。
つまり、倒壊した主因は、地盤が軟弱地盤だったからということも言われています。
しかし、隣の柱状改良杭で施工した建物は何ともなかったようです。
つまり、軟弱地盤だから地震力がより強く増幅されるという要素だけでなく、鋼管杭という細い杭で支えていたためとも考えられます。


★原因3・・壁の位置が上下不揃い
16-0621.gif要は、右の図のように、2階の耐力壁の下に壁がないのです。
その結果、2階の梁に大きな力を受けその強度不足が倒壊する原因を作ったのではないかと言われています。

不運が3つ重なりましたね。
ここからの教訓は、
1.低減できるからと言って、低減するとダメ。もはや、全国が地震区。
2.軟弱地盤は地震が増幅されるという故事は生きている。
  都市部の住宅の半分は軟弱地盤の上に立っているので、耐震等級3ぐらいにして当たり前。
3.完全に1階と2階の壁を一致させることは不可能だが、せめて構造計算による「梁の強度の確認」は必要。
  耐震等級には壁量計算方式と構造計算の方式がありますが、構造計算の方が的確だと言うことです)


次回は、鉄骨プレハブも倒壊した・・というお話です。

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posted by WM.Hori at 11:06| Comment(0) | 熊本地震に思う
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