2010年02月09日

内部結露と外断熱

今までの話をもう一度おさらいすると、
結露は冷たい物が、暖かい空気に触れることによって表面結露をおこします。
結露とは、たったこれだけの原理です。

そして、その対策は
1.物が冷たくならないようにするか、
2.暖かい空気に触れないようにする

という2つの方法があります。
そして、もう一つは、仮に空気が暖かくなっても、その空気の湿度が低ければ良いのだから(露点を下げることが出来る)、換気をして水蒸気を排出するというのが3番目の対策です。

皆さんが怖がる内部結露も同様で、単に目に見えない部分で起こった表面結露に過ぎません。つまり、建物に使われている木材や金属などが冷え、それが何らかの原因で暖かい空気に触れることによって表面結露を起こします。

10-0209-2.jpg右の写真はその典型例です。
この建物が建っていたのは、京都の北山で、冬には北山おろしと言われる冷たい吹きさらしの風が山から下りてくる地域です。雪が積もる地域よりも冷たい北風です。そうするとこのコンクリートと鉄で出来た建物は一気に冷えて凍り付き、材料の表面温度は0℃を下回っていたのかも知れません。そこに部屋の暖かい空気がこの部分に入り込み、結露を起こしたようなのです。
すでに何度も結露が起こったのでしょう、鉄部は錆が出始めていますし、水滴がすごいですね。

よく内部結露は表面結露とは別物と錯覚しがちですが、原理は今までご説明してきた表面結露と全く同じで、建物内部に起こったから内部結露と区分して呼んでいるに過ぎません。

10-0209.gifそして、この物を冷やさない−結露しないという対策を取った断熱工法が外断熱と言われるものですね。

昨日の材料温度の推移を考えれば、右の図のような仮説が成り立ちます。
外気温が0℃で、室内温度が20℃のとき、外断熱であろうが無い断熱であろうが、外装材の表面温度も、内装材の表面温度も同じです。
しかし、柱の温度は大きく異なりますね。

外断熱で巻かれた柱は冷えません。対して内断熱の場合は、柱の外側は昨日の説明のように、外気温に近い温度に順応していきます。
右の図の温度はあくまでも仮説ですが、たとえば外断熱であれば12℃ぐらい。しかし、内断熱であれば5℃ぐらいまで下がっているのかも知れません。

このことを見ると、外断熱は、材料を冷えにくくするというメリットをもった断熱工法だと言うことですね。

しかし、外断熱の普及率はまだまだ低いです。それは、
1.価格面がネックとなっているのですが、
2.同時にそれだけでなく凸凹した出入りの激しい間取りや外観形状の建物では、外断熱を連続させていくことが非常に難しいということ、
3.さらに断熱材の厚みに施工上の限度があり、より高断熱を求める場合、断熱材だけで限界があり、サッシの高性能化など別の要素の強化も必要。(断熱材の厚みだけで対応することが出来ない)
という理由から、なかなか本格的に普及するまでには至っていません。

さて、次回は、内断熱の対策です。

注:ここでお断りですが、上の図のように内断熱の場合は、外部側の柱の表面温度は5℃近くまで下がっているでしょう。しかし、それだけで柱が結露を起こす心配は全くありません。なぜなら、5℃付近の空気の温度は、0℃の外気に近いのですから、温度が低いから結露するんだ・・と早合点しないようにしてください。
結露とはあくまでも、その材料(物)と、その材料の周囲の気温(+湿度)との関係ですからね
言い換えれば、いくら冷え切った缶ビールでも、冷蔵庫の中においている限り決して結露しないのと同じですよ。


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2010年02月08日

結露−周囲の温度に順応する材料

今週もしばらく、「結露」の話を続けようと思いますが、せっかくなのでおもしろいデータをご紹介しましょう。

昨日は私の住んでいる所でも明け方氷点下にまで下がリました。午前7時で氷点下−0.5℃でしたが、その時の室内気温は、10℃でした。

10-0208-2.jpg下の図が、その日の最低気温をマークした1時間後の朝8時のそれぞれの材料の表面温度です。(右の写真は室内から撮したもの。事務所として使っている部分です。)

不思議なことに、みごとに周囲の温度に順応して下がっています。
外部では、モルタル外壁は風当たりの違いなのかどうか分かりませんが、0.8℃から4℃前後。
木製のサッシもみごとに外部側と室内側の表面温度が違います。
外部は2.1℃から3.8度にまで下がっているのに、室内側は8℃から9.1度と室内の温度に順応して高くなっています。
ドアも室内と外部では表面温度が違います。

さらに、おもしろいのは、木製のサッシもなぜか外部から遠ざかるほど温度が高くなっています。伝導しているのでしょうか。

このように、気温だけを見ていると全く分からない部分ですが、建物自体も周囲の温度に強く反応して、順応しようとしているのがよく分かりますね。

ちなみに今日の朝は外気温が3〜4℃に対して、外壁や木部の表面温度は、外気温より少し高い4〜6℃程度を示していました。これも昨日と全く同じように、周囲の温度に相対的に順応しています。

実は、この現象、原理を逆に利用しているのが外断熱なんですね。明日はそのお話しです。

10-0208.gif


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2010年02月05日

プチプチシートの活用法

10-0205.gifホームセンターにたびたび行かれている方は、右の写真のような商品が売られていることにお気づきだと思います。
ニトムズが出している「窓の断熱や結露防止」のためのプチプチシートです。窓ガラスに水で貼り付けて1年程度持つようです。値段は大体幅900mm、長さ180cmで600円程度のようですが、プチプチシートをベースとして使っているので、リビングの窓ガラスなどに貼ると視界が遮られ、外から貼っていることが分かるので、正直うっとおしいですが、小窓などあまり視界や外観が気にならない場所に使うには良い商品です。

それをヒントに私の家でしているのが、本当にプチプチシートだけを使う方法。
材料は、これもホームセンターで売っている養生や梱包用のプチプチシートで、幅90cm、長さ5mとか、10mとかの長さで売っており、大体1m当たり100〜120円ですから、上の専用の物よりも1/3程度の値段になります。

それをどう使うか。

■小窓
ガラス面も、サッシ部分もひっくるめて、右の一番下の写真のようにすっぽり窓全体に貼り付けます。

■大窓
そもそも結露するのは窓の下が多いので、床から90cm程度の所までプチプチシートをガラス面に張っています。

■張り方
このシートを使う原理は、上の商品も全く同じ原理ですが、
いくら冷たくなったガラスやサッシでも、暖かい空気に触れなければ、結露しない」という原理ですから、出来る限りガラス面と密着させないと意味がありません。
そのため、小窓は窓枠の周囲に押しピンで細かく止めます。
大きなガラス面は、両面テープを1cm角程度に小さく切った物を10cm事程度に貼るか、あるいは養生、梱包用のテープは剥離性が高いですから、小さく切って貼り付けます。(張り方はそれぞれ工夫してみてください)
そして、春になって結露しない季節になれば取ってしまいます。
10mのロールを買っても1000円ですから、使い捨て感覚で使えますし、多少の断熱効果も、もちろん期待出来ます。


■そして、腰窓などでも、いつも結露する下の方のガラス面に少しだけ貼るというのも良い方法だと思いますよ。

10-0205-1.gif

原理が分かると、高い商品を買わなくても、自分で工夫し、安上がりで快適に過ごせますよ。

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2010年02月04日

普段気づかない湿度の変化

結露は、気温と湿度に関係すると最初にご説明しましたが、人間は案外気温には極めて敏感なのですが、湿度にはいたって鈍感です

結露にかんする記事を掲載し始めて、意識的に私の家の窓の結露とサッシの表面温度を気にかけていました。
それは、外気温が高くても窓に結露を起こすときもあれば、室温と外気温の差はおなじような物なのにに、結露が生じないときがありました。その違いはどうも、室内の湿度のようなのです。

外気温が暖かくても、室内でストーブを微弱運転にしてわずかに1.2時間付けただけでも、室温は20℃近くになり、湿度計も70%程度を示しますが、外気温が低くても、人もいなくてストーブを点けないときは、室温も16℃程度で、湿度も55%前後です。
このとき、室内と外気温の差が似たような時でも、前者の時は結露し、後者の時は結露しませんでした。つまり、湿度の差が結露に影響を与えていたようなのです。
ところが、人間は気温の変化には敏感でも、なかなかこういった湿度の変化に気づきません。

それは、外の環境も同じで、下の表は昨日の神戸市の1日のデータですが、相対的湿度は、明け方は70%近くにまで上がり、夕方にはその半分の35%程度にまで下がっています。

ところが、明け方の寒さ、夕方のそうでもない暖かさという気温の変化は感じても、ここまで湿度が変化していることを体が感知することはありません。それは、室内の湿度も同じです。

結露の問題は、こういったダイナミックに変化する湿度の動きを知らないとなかなか見えてこないものだと思います。

・温度だけをみるな。湿度も大事。
・湿度は1日の間に変幻自在に変化するが、なかなか気がつかない。
・しかし、この湿度を忘れて、結露は語れない。。


というところでしょうか。


     10-0204.gif


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2010年02月03日

おイヌさま。人間さま。

10-0203.jpg何でもかんでも人間さまの都合でおもちゃにさせられるのがペット」の宿命である。それが似合うヤツもいるし、似合わないヤツもいる。

それはそうとして、最近は高齢化の進展と共に医療費が膨らんでいる。いや、高齢化したから医療費が膨らんでいるのではなく、昔直せなかった病気が治るから高齢化が進み、そのために医療費がかさむ。

わが家のイヌも昨年来、アレルギー性(らしい)皮膚炎を発症した。出された薬はステロイドや皮膚の乾燥を防ぐシャンプーなど、人間並み。ついに今日からインターフェロンの注射が始まった。

イヌも長生きするという。
人間も長生きになった。
それは病気を征服したから??
それは良いとして、とどのつまりはどこに行く??


これはきっと、神さまが人類に課した「なぞなぞ」なんだろう。
コロンブスのたまごのように。



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2010年02月02日

複合サッシ

10-0202.jpg昨日は、サッシ自体の結露を防ぐための対策として、冷えにくい素材をつかう。その例として、樹脂サッシと木製サッシをご紹介しました。これはサッシの全てを樹脂か木材で作るので、効果は高いのですが割高です。

そこで生まれたのが、樹脂という加工のしやすい、冷えにくい材料の良いとこ取りをした複合サッシといわれるものです。

これは右の図のように、サッシの本体そのものはアルミで造りながら、室内側の面に樹脂を貼り付けることで結露を防ごうという作戦です。

この方法は前回の素材そのもので冷えにくくする・・という方法ではなく、暖かい空気が、よく冷えているアルミに直接触れないようにさせよう。という発想と考えればいいのではないでしょうか。

従来、ペアガラスのガラス部分は結露しないが、アルミサッシの部分が結露するという現象が起こっていましたが、室内側の表面にだけ樹脂を付けることで、サッシ自体も結露を起こしにくくなっています。そして樹脂サッシや木製サッシを使うよりも安く済みます。


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2010年02月01日

サッシ素材と結露

サッシは、その使われている素材によって「結露」のしやすさが違います。
結露は冷たいものの表面に、より暖かい空気が触れることで起こります。

これは、冷蔵庫にそれぞれの素材のものを入れて冷えるかどうかの様子で分かりますね。
一番冷えた、と感じるのは缶ビールなどの素材である「アルミ」あるいは「スチール」ですね。
次に麦茶などを冷やすときに使う「樹脂製のポット」。これは触っても缶ビールほど冷たさを感じませんし、事実、中の水もそんなに冷えません。というより冷えるのに缶ビールよりも時間がかかります。
最後は、あまり冷蔵庫には入れませんが「木材」。似たような性質のものに「土」があり、いわゆる素焼きの陶器がやや似ています。これも中の水が冷たくなるのには時間がかかります。
そして、冷蔵庫から出したときも、アルミやスチールで出来た缶ビールはあっという間に表面に結露が出来るのに対して、樹脂製のポットは、それほど結露しませんし、持ったときの感触も缶ビールほど冷たく感じませんね。素焼きの陶器も同様ですね。

10-0201.jpgこのように、空気が触れるものその物(材料)をなかなか冷えない物(材料)で作れば結露しにくい。そう考えて作り出されたものが、樹脂サッシであり、木製サッシですね。

サッシも同様に、アルミサッシ→樹脂サッシ→木製サッシの順で結露を起こしにくくなっています。
ところがこのサッシ、いずれも高価なので、高断熱化の工事の中では断熱材などよりもはるかに高く、なかなか手が出ないのが実情です。

明日は、すこし別の原理で結露を防ごうと考えたサッシの話です。


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