2012年01月27日

根拠と証拠が全て


「では、工事途中、あるいは完成後に契約で指定した仕様通りの工事がされていないことがわかったとき、どうすればいいのでしょうか?」

■工事中
12-0127.gif工事中にわかれば、是正を求めればいいですね。
「やっていない」と言うことが誰が見ても明確で、「直せという根拠」が明確な以上、基本的に逃げる業者はいません。
我が家の場合は、右図のように床下に断熱材が入れられていないことは、完成間際に見つけることができましたから、幸いにもすぐに対応してもらうことができました。

■完成後
問題は完成後にわかった場合です。
これも我が家の場合は、図の部分(車庫と玄関の間の壁)の断熱材が入っていなかったのですが、それを知ったのは築10年以上を過ぎてからです。すでに時効は過ぎているだろうと勝手に判断して、是正を求めるのは諦めましたが、もっとも早い時期にわかった場合は、是正を求めることが可能になります。
(注:調べてみると債務不履行(約束と違う)による時効は10年です。時効起算点など、わかりにくい部分もありますから、具体的には弁護士等にご相談ください)

■制度が根拠となる
そして、是正を求める根拠は、「制度に書かれた仕様」ですね。仕様そのものは、明確になっていますから、たとえば、次世代省エネルギー仕様で施行しなければならないのに、部分的になっていなければ、その部分の是正を「制度に示された仕様」によって明確に指摘することができます。
もちろん、完成後でもです。

■大きな忘れ物−証拠
でもこの時、多くの人が大事なことを忘れています。
それは、「証拠です」
「やっていないじゃないか・・」という証拠が無い場合も多いのです。
その会社、その建築士を信用してしまい、工事中の一切の写真を撮っていないので、なにかおかしいな〜と感じても、壁を剥がしたり、床下を覗いたりしないとわからないし、そうしてところで、断片的な「証拠」が集まるだけ・・。
そのための時間と費用がかかってしまいますね。

我が家の事例もそうでした。
工事中の写真が無かったため、たまたま十数年後に、車庫と玄関の間の壁にドアをつけたことで初めてわかりました。この時工事中の写真を、バシャバシャ撮っていたら、もっと早くわかり、時効というハードルもなく直してもらえていたでしょう。たとえば完成後にアルバムを整理しながら見つけても、時効までにはほど遠いですから、完成後でも直してもらえます。

つまり、必要なのは、
根拠となるべき制度を使うこと」と、
もう一つ大事なのは、
証拠となるべき写真を撮っておくこと
ですね。


■欠陥住宅も写真が決め手
実は、欠陥住宅のご相談を受けたときに、何気ない写真が決定的な証拠となることがよくあります。
なにも工事記録を撮って、後々の為に証拠固めをしておこう・・と意識して撮ったものではなく、「うわ〜ぁ。こんなになるのか」という好奇心とか、ホントに何気なく撮った写真がほとんどなのですが、そういう写真を見つけたときは、その時点で、言葉は悪いですが犯罪成立です。

あとは、交渉用であればその写真をそのまま使い、裁判用であれば、もうすこしわかりやすい証拠写真を撮る・・ということだけに専念できますが、全く写真が無ければ、それこそ、壁を剥がし、小屋裏を覗き、それでも断面的な部分しかわからないですから、確証を得るまでに時間がかかってしまいます。

写真って本当に大事ですよ。
とにかく、バャバシャいろんな角度から、枚数を撮っておけばいいのです。
注:ビデオでもいいのですが、ビデオの特性上部屋の端から端に流しながら撮る、といった場合が多く、1コマにすると写真が流れていて、証拠として使えない場合も多いですから、キチンと1コマ1コマ止まって撮る写真の方が証拠性は高いです。
注:そもそも裁判では、ビデオなどは、見るのに時間と機材が必要なので誰も見てくれませんし、弁護士も裁判官も証拠としての提出をいやがります。


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2012年01月26日

制度をうまく使って身を守れ


前回は、「制度の理解した上で使えば、制度というものをつかえば建築主にとって、大変大きな武器になります。」と書きました。そのおかげで、私の場合は、床断熱を抵抗なく入れてもらうことでできました。
しかし、同時に、「選択肢のある制度なのか、選択肢のない制度なのかを、キチンと選択していないと意味がない」とも書きました。

■選択肢のある制度
12-0126.gif性能表示制度やフラット35Sがその典型ですね。たとえば性能表示制度がいいからと言って、全ての等級を最低限の1で申請しても意味がありません。フラット35Sでは、4つの選択できる項目のどの仕様にするのかを指定しないと意味がありません。その仕様を指定しなければ、「この制度の仕様のいずれかをしようとしていたことが推測される」」程度のことでしかありません。決めていなかったことに、相手の内面(心)を知ることなでできませんから、契約は効力を発揮しません。

■選択肢のない制度
住宅エコポイントや長期優良住宅の制度がそうですね。
住宅エコポイントは次世代省エネの断熱性能が必要ですし、長期優良住宅では、耐震等級2以上、耐久性、維持管理、省エネは最高レベルが必要です。

■契約の仕方
この制度を使った時の契約の仕方は至って簡単です。図面に書かれている読んでもわからない仕様書も、まるで象形文字のような言葉の並ぶ見積書も大げさに言えばチェックする必要は無く、契約書か、図面か、見積書に「特記事項:本建物は・・・の仕様で建てる」と書くだけでよいのです。
そうすることで、その制度に基づく義務的な仕様で建てなければ契約違反となってしまいます。

では、工事途中、あるいは完成後に契約で指定した仕様通りの工事がされていないことがわかったとき、どうすればいいのでしょうか?

次回に続きます。

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2012年01月25日

神話とオオカミ少年


日本という国は、和洋折衷、天照大御神の神話から西洋のイソップ童話まで、都合のよいものは何でも取り入れる。それはいわば、現実主義的な国民性なのだからだそうです。

明治維新が成功したのも、太平洋戦争の敗戦後から奇跡の復興をなしえたのも、あっという間に右から左に変身できる、現実に追従できる国民性あってのことです。(言い換えれば変わり身の早い)

少し前まで、原発は安全であるという「神話」と同時に、津波などこないという前提がありました。津波がこないというのは、「神話」にはなり得なかったのですが、でも、都合良く「安全神話」に組み入れられていました。

他方、地震学者は、東日本大震災を予知できなかった無力を懺悔しているフリをしていました。

ところが最近の地震学者は、「オオカミ少年」になりたいようです。
さかんに「地震が来るぞ!」「来るぞ!」「来るぞ!」と叫んでいます。
『直下型地震の確率4年以内70%』もその一つですね。

その確率が本当に正しいのかどうかすら、誰も確かめようがないのですが、過去の失敗に懲りて、この際は、何でも大げさに吹聴してやれ。そうすれば過去の失敗を多少なりともカバーできるのだろう・・と姑息な思いでいろんな発表をしています。

それを聞いた報道機関は、一斉に4年70%という確率を報道します。
そして、聞いている人は、数字でびっくりする。
馬鹿だねぇ!!と思ってしまいました。

すでにブログで話した内容かもしれませんが、この話を聞いてこんなことを思い出してしまいました。

どの軍隊でも同じですが、野戦食というものがあります。いわゆる缶詰です。かの太平洋戦争の時、アメリカ軍の野戦食には、食料と同じパックに「タバコ二本」「ビタミン剤の入ったジュース」そしてなにより「トイレットペーパー」が入っていたそうです。

メシ食ったら、一服したいよなぁ。(昔はね!)
食ったら出るよなぁ〜。

このあたりの合理性は、日本はとても及びません。
国民性なのでしょう。
合理的な考え方をする国民からすれば、地震が起きる確率など一つの目安であって、『地震が来る』という前提で物事に対処する。
『いつ地震が来ても良いつもりで行動する』

ところが、日本人、特に学者や官僚など頭の偉い人たちは、確率といった数値を大事にしがちです。
そしてそのために、すでに東海地震の研究に1兆円が使われていたとか。予知確率を高めたかったのでしょう。

あぁ〜ぁ。
12-0125.gifその1兆円を地震対策や備蓄、通信手段の整備、仮設トイレの充実、仮設住宅の質向上に使えば、どれだけ効果的だったのだろうか。
未だにかの東日本大震災の避難場所では、トイレが溢れて、多くの人がトイレに行くのを我慢していたとか・・。
このあたり、野戦食を用意しろ(避難場所を指定しろ)までは、発想できるのですが、そのあとの処理が全て現場任せという日本の悪弊は、全く直っていません。先の先まで見通した、合理的配慮は国民性的に無理なんでね。きっと・・。

「まぁ。個人、家族レベルで言えば、地震なんかいつ来てもおかしくないんだ。食ったら出るぞ〜。備蓄食料用意するなら、水洗トイレが使えなくなったときの対処方法も考えとけよ〜」という話です。

とりとめのない、神話とオオカミ少年と国民性のお話でした。

ところで、今週はあと少し前回の話を続けてまとめますが、来週は
・耐震等級3の建物で震度7が来るとどうなるのか
・首都直下型地震も対策の盲点
などの話を進めていきます。

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2012年01月24日

制度の落とし穴


「契約書に添付された仕様書では床下断熱は消されていたし、公庫融資は受けていなかったが、公庫仕様書をつけていた。」

建築主の方のなかには、時々、
『フラット35の仕様にする』と書いておくと良いとか、
『公庫の仕様書をつけておくとよい』
といったことを契約時に実践されている方がいます。
実は、この行為、悪いとは言いませんが、本当のところは非常に中途半端な契約行為なのです。

12-0124.gif一番上の話の答えを書くと、公庫仕様書を付けていたからと言って、公庫仕様書が必ずしも身を守ってくれるわけではないのです。

■欠陥住宅裁判の判例は半々
欠陥住宅裁判でも、「公庫仕様書に書いていることをしていないから欠陥なのだ」と叫ぶ弁護士や建築士の人もいるのですが、判決の実態は、公庫仕様書肯定派の裁判官と、公庫仕様書を否定する裁判官の2つに分かれ、比率的には半々程度なのです。

その理由は次のようなものです。
■この仕様書はいろいろな仕様書のなかの一つである
公庫仕様書の冒頭に書いてあるのですが、「この仕様書を使わなくて、他を選んでも良いし、使うなら、使う仕様の部分にチェックを入れてください」と書かれています。言い換えれば、住宅工事における唯一絶対の仕様書ではない・・と公庫仕様書自身が言っているのです。

■網羅的仕様書
この仕様書は、基礎的な仕様も載っていれば、次世代省エネや、耐震等級2等々、いろんなランクの仕様をひとまとめに書いています。言い換えれば、運転免許に普通、大型、大型特殊、二輪といった区分があるものの、その中の全ての説明が載っているのと同じことなのです。
だから、この説明(仕様)の何を使うかを指定しないと、本当は意味がありません。

■フラット35Sの仕様に合わせる・・という誤解
最近の誤解で非常に多いのが、
この建物をフラット35Sの仕様に合わせてください』といって、
相手も『はい』という場面です。
実は、フラット35Sの仕様でつくっておけば安心だろう・・という心理からそういう注文になるのですが、フラット35Sは、「耐震等級2」「耐久性」「次世代省エネ」「バリアフリー等級」といったいろんなタイプの性能の中から、一つだけを選んで申請します。全部の性能をクリアさせる必要はありません。
言い換えれば、フラット35Sとは、選択肢のある制度です。ところが、この性能を指定して「フラット35Sでお願いします」と言っておかないと、結局、何も指定していなかったのと同じことになってしまいます。
注:無責任な営業マンも、よく知らないので、適当に何でもかんでも「はい。はい」と同意をしているようです。(この場合は、フラット35の最低基準に合わせておけばいいんだろうと、相手も勝手に思っています)

この手の誤解も、「公庫仕様書を浸けておけば安心なんだろう」という誤解と同じで、相手も、「まぁ、フラット35の最低基準のことを言っているんだろうなぁ」と双方が何となく、よく突きつめもしないまま話が流れていきます。お互いによくわからないまま、雰囲気だけで合意している事例です。


■辛口の裁判官になれば、
このような事からトラブルとなり、相手を訴えても、「確かに契約書に仕様書は添付されているが、あるいは、確かにフラット35Sで建てろと契約書に書かれているが、どの性能も特定していないのだから、性能を特定して契約をしたとは認められない」と非常に不利な判断を下されてしまう場合の方が多いでしょう。

要は、付け刃で物事をすすめるな。
キチンとその制度なり、仕組みを理解した上で使えば、制度というものをつかえば建築主にとって、大変大きな武器になります。

そのときの判断は、その制度が「選択肢のある制度なのか」「選択肢のない制度なのか」と言うことで、「選択肢のある制度なら、キチンと選択していないと意味がない」ということなのです。


次回「制度をうまく使って身を守れ」に続きます。


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2012年01月23日

契約に有効なものとは・・1


前回のブログでは、公庫融資を受けていたから、何も言わずに断熱材を貼ってもらえた、と書きました。その理由は、公庫融資の設計審査などの手続きは住宅会社が行います。自らが設計し、自らがその手続きを代行する以上、当然に公庫の建設基準(どんな融資を受けようと最低限付加しなければならない公庫融資上の規定)をしり、それをクリアしなければならないことは知っていることになります。
そして、
いくら締結された仕様書に床断熱の記載が消されていようと、そのことを建築主が了承していない限り、いいかえれば、公庫融資を受けながら、融資基準を満たさず融資を受けられないという事態までを了承していない限り、床断熱抹消は住宅会社の錯誤となり、公庫仕様に会わせる必要が出てきます。(床断熱無しと言うことが)

ちょっと回りくどく書きましたが、要は住宅会社も公庫融資を使うことを知っていたのだから、公庫融資の仕様が契約条件となります。

では、
12-0123.gif■契約書に添付された仕様書では床下断熱は消されて、公庫融資は受けていなかった。
この場合は、残念ながら、図面に書かれた仕様が優先されます。
仮に、建築主が後で「床には断熱材が入っていない」と気づいて、「おかしいやん。どんな家でもはいっているやん」と叫んでも、原則的には床断熱を『無償で張ってくれる』ことはありません。

特に裁判ともなれば、言った聞いていないの押し問答ではなく、書面に何が書かれていたかを重視します。
ですから、知らなかった、あるいは見落としたとはいえ、図面や契約書あるいは見積書に書かれていることはものすごく大事なんですね。

次に
■契約書に添付された仕様書では床下断熱は消されていたし、公庫融資は受けていなかったが、公庫仕様書をつけていた
という場合はどうなのでしょうか。
この場合は、非常にやっかいです。
そしてもっとも誤解の多い場面です。
明日に続きます。



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2012年01月20日

どうして断熱材を貼ってもらえたか!


「床の断熱材が貼られていない」と言っただけで、どうして断熱材をあっという間に貼ってもらえたのか。その理由は、公庫融資を受けていたと言うことなのです。

■図面には床断熱は消されていた
私はその当時、建築設計といいながら、マンションやファミレスのような一般建築の設計をしていたので、建築そのものの知識はあったのですが、木造住宅、しかも戸建て住宅というものは設計すらしたことが無く、未知の領域でした。まして当時は、断熱と言っても、やはり「公庫レベルの仕様にしておけば」という程度の認識で、今のような、「次世代省エネ」の言葉ができる前です。断熱そのものにも、ほとんど関心がありませんでした。
そういうときに、下の図(1)のように、「積水ハウス」から出された仕様書は、よく見ると床の断熱材を消していたのですが、契約当時は、「住宅は積水ハウスの方が専門なのだから、そういうものなのかなぁ」程度の認識でほとんど気にもしていていなかったのでしょう。そのまま契約しています。

つまり、建築設計はしていたものの、住宅は全くの門外漢だったし、相手は専門業者だ・・という思い込みもあった、いわば、このブログを見ている建築主の方と全く同じ−相手を信じて全面的に任せてしまう−しかも断熱にはほとんど思い入れがない−レベルだったのです。

■しかし、公庫仕様書をよく見ると
完成間際、現場の床下を見ると断熱材が貼られていない。
「あれ〜。そういうものなのかなぁ」と改めて疑問に思い、契約書に添付されていた公庫仕様書を見てみると、「公庫には建設基準があり、融資の種類にはかかわらず、最低限の断熱材を貼らなければならない。」という規定があったのです。
それが(2)の部分ですね。

そして、必要な断熱材の種類と厚みを示した表が下の図(3)。
少なくとも、15mm以上の厚みの断熱材を張る必要がありました。

つまり、どんな融資を受けようが、公庫融資をつかうなら、一定の断熱材を使いなさい、という規定だったのです。

それで
「ウチは、公庫融資を受けて建てているはずだが、その際床下に断熱材は入れる必要は無いのかなぁ」と疑問符という形で問いかけをしたのです。
そうしたら、その返事を確かめるまもなく、あっという間に、というよりも、くさいものには蓋をするような素早さで、慌てふためき、床下にグラスウール50mmを張り出したのです。

余談を言えば、
これは揶揄でもなく、本当にそう感じてしまいましたね。あいつら、何を慌ててやってるんだ・・という感じです。そしておもしろいことに、「必要なので貼りました。うっかりしていました」という返事もなく、無言の行為で示したから、余計にそう感じたのでしょう。
「おまえら、失念していました」ぐらいの挨拶に来いよ・・と感じてしましましたが、あほらしくて、黙っていました。
それがまぁ、「くそ積水ハウスの馬鹿野郎」、「大手であろうと、結局は一緒か」と思ったゆえんですね。そしてお互いに何事もなかったかのような顔をして、引き渡しを受けたのです。


話を戻すと、つまりは、公庫融資を受け、そこに断熱材が融資の種類にかかわらず必要だと書かれていたことが、相手が何も言わずに是正工事をした理由なのです。

では、もうすこし違ったケースもあると思いますが、
1)契約書に添付された仕様書では床下断熱は消されていた。
2)公庫融資は受けていなかった。
というケースと、

1)契約書に添付された仕様書では床下断熱は消されていた。
2)公庫融資は受けていなかったが、公庫仕様書をつけていた。

という2つのケースは、法的にはどうなるのでしょうか。
次回に続きます。

12-0120.gif


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2012年01月19日

「くそ・・・ハウス」


12-0119-2.gif■床下断熱が貼られていない。
さて、どんなことが起こったのでしょうか。
右の断面図が当時の状況を簡単に書いたものですが、完成間際に現場を訪れると、図のように寝室とダイニングキッチンの床下に断熱材が全く貼られていませんでした。
公庫融資を受けているので、床下も必要なので、「床下に断熱材が貼られていない」と指摘すると、翌日から大慌てで、間に合わせのように、ぺらぺらのグラスウール50mmをぺたぺた貼っていきました。
そして、去年、
たまたま車庫の照明器具を取り替える機会があり、照明器具のために開けた穴から、車庫の天井を覗いてみると、底には断熱材が入れてられているのです。

つまり、インナー車庫の上、リビングの床下には断熱材を入れておきながら、寝室やダイニングの連続している床下は忘れている。実に支離滅裂な工事です。

■壁に断熱材が入っていない
そして、一昨年前ほどに、車庫と玄関を室内側から行き来できるように、壁を開けて簡単にドアを取り付ける工事をしたのですが、そのときわかったことは、車庫と室内を区切るその壁には断熱材が入っていない。(右の間取り図)
ここも本来は、正しい施工範囲で書いているように、玄関と収納をぐるっと取り囲むように断熱材を入れないといけないのですが、部分的に入っていない支離滅裂な断熱施工だったのです。

■非常に多い断熱の不連続
実は、中古住宅や欠陥住宅、あるいは建売住宅のチェックをしているのと、この手の施工不良をよく目にします。去年新築した家なのに、業者が床下断熱をすっとばかし、冬はとても寒い・・というびっくりするような住宅にお目にかかりました。
少し前まで、小屋裏収納に断熱材を入れていないのは、当たり前。もっと前は、廊下や押入の床下に断熱材なんか入らないだろう〜なんて考えていたのです。
最近でこそ、やっと断熱材は連続して入れるもの・・という認識で工事をしていますが、ほぼ全ての住宅会社がそういう意識になったのは、ごく最近なんですね。

■せっかくなので、一つだけ積水ハウスで決めて良かった点。それは、その当時としては珍しいと思う「剛床」を採用していたことと、外壁が構造用合板を使い、耐震性という点では良い仕様でした。
そのせいか、建て替え前と建て替え後では、建て替え前が地震があると「ぐにゃ〜」という揺れ方で、揺れも大きく感じたのですが、さすがに剛床と構造用合板では、地震があっても揺れの感じ方は半分以下になりました。

それ以外は、辛口採点ですが、他社と何も変わりません。
今、積水ハウスが大和ハウスと並んで売上トップなのは、「大手に頼めば安心」というブランド力でしょうか。
上のような経験をしてしまうと、所詮、積水ハウスも中身そのものはたいしたことなかった・・なんて考えてしまいましたね。
でも悟ったことが一つありました。その話はあした・・。

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